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【年齢別】大腸がんの罹患率|何歳から検診を受けるべきかを解説

[2025.06.29]

「大腸がんの発症率が高まる年齢は?」
「何歳から検診を受けるべき?」

大腸がんの発症リスクは年齢とともに高まり、40歳を過ぎると毎年検診を受けることが推奨されています。とくに肉中心の食生活や運動不足、過度な飲酒などをしている方は、大腸がんのリスクが高まっている恐れがあるため注意が必要です。

本記事では、年齢別の大腸がんの罹患数をはじめとして以下を解説します。

  • 検診は何歳から受けるべきか
  • 早期発見するための検査方法
  • なりやすい人の5つの特徴

生活習慣が乱れている方や年齢的に検診を推奨されている方はとくに参考にしてください。大腸がんの初期症状の詳細を知りたい方は「初期症状はない?大腸がんと気づいた7つのきっかけを症状別で解説」を参考にしましょう。

【年齢別】大腸がんの罹患数

年齢別の全国の大腸がん罹患数(2021年)は以下の通りです。

年齢 男性 女性
全年齢 86,271人 68,314人
20-24歳 46人 23人
25-29歳 92人 82人
30-34歳 185人 180人
35-39歳 538人 526人
40-44歳 1,087人 966人
45-49歳 2,327人 1,808人
50-54歳 3,815人 2,791人
55-59歳 5,418人 3,436人
60-64歳 7,682人 4,370人
65-69歳 11,576人 6,877人
70-74歳 18,175人 11,149人
75-79歳 14,041人 9,977人
80-84歳 11,273人 10,357人
85-89歳 6,838人 8,832人
90-94歳 2,570人 5,100人

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

大腸がん検診は何歳から受けるべきか

厚生労働省は、大腸がん検診(問診および便潜血検査)を40歳から年1回受けることを推奨しています。40歳を超えると大腸がんの発症リスクが20〜30代よりも高まっていくためです。

大腸がんを罹患する確率は、男女ともに高齢になるほどに高まっていきます。男女別でみると女性よりも男性のほうが1.3倍発症する確率が高いです。大腸がんだけなく、あらゆるがんにおいて死亡率を下げるには、がんを早期発見して適切な治療を受けることが重要。そのためにも定期的ながん検診が必要です。

大腸がんを早期発見するための検査方法

大腸がんを早期発見するには、以下のような検査を受けることが大切です。

  • 便潜血検査
  • 大腸カメラ検査

それぞれの詳細を解説します。

1.便潜血検査

便潜血検査とは、便中に血液が混じっているかどうかを調べる検査です。陽性が出た場合は大腸のどこかで出血の疑いがあります。目に見えない少量の血液を検出できるため、症状が現れていない大腸がんの早期発見に有効な検査です。

前述した通り、便潜血検査は40歳から年に1回受けることが推奨されています。陽性の場合は、たとえ症状が出ていなくても、何らかの病気が隠れている恐れがあります。陽性が出た場合は、大腸カメラによる精密検査を受けましょう。なお、便潜血検査は2日分の便を採取する2回法のほうが、正確な検査結果が得られるため2回法を推奨します。

2.大腸カメラ検査

大腸内視鏡検査は、肛門から超小型カメラ付きの内視鏡を挿入し、大腸全域を精密に観察する検査方法です。検査中に疑わしい病変を発見した場合はその場で組織を採取できます。

採取した組織を病理検査(顕微鏡で組織を詳細に調べる検査)することで診断が確定します。大腸カメラは「検査が痛そう」という不安から抱える方も多いです。当院では鎮静剤を活用した苦痛の少ない大腸カメラ検査を提供しています。検査を検討中の方はまず事前の診察を受けてみましょう。

大腸カメラ事前診察

関連記事:大腸カメラ(内視鏡検査)が痛い人の3つの特徴|痛みを軽減する方法も!

大腸がんになりやすい人の5つの特徴

大腸がんになりやすい人の5つの特徴は以下の通りです。

  1. 過度の飲酒をしている
  2. 肥満・運動不足である
  3. 喫煙をしている
  4. 食生活が乱れている
  5. 大腸がんの家族歴がある

それぞれの詳細を解説します。

1.過度の飲酒をしている

厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドラインを参考にすると、男性と女性ともに1日の純アルコール量20g以上の飲酒をする方は、大腸がんの発生リスクが高くなると記載があります。

男性の節度ある飲酒量は、1日純アルコール約20gです。女性はアルコールの影響を受けやすいため、男性よりも少ない量が適量とされています。以下の表を参考にして、節度ある飲酒生活を心がけましょう。

お酒の種類 ビール 清酒 ウイスキー・
ブランデー
焼酎 ワイン
飲量 中瓶1本(500ml)

1合(180ml)

ダブル(60ml) 1合(180ml) 1杯(120ml)
アルコール度数 5% 15% 43% 35% 12%
純アルコール量 20g 22g 20g 50g 12g

出典:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
出典:厚生労働省 「健康日本21(アルコール)」

2.肥満・運動不足である

肥満や運動不足は、大腸がんの発症リスクを増加させるといわれています。日本ではBMI(肥満指数)が25以上であると、肥満と判定されます。BMIの計算方法は「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」です。体重が気になる方は一度計算してみましょう。

運動不足であると、腸管の動きが悪くなり便が留まっている時間が長くなります。その結果、腸管が発がん物質にさらされる時間が長くなり、大腸がんのリスクが高くなると考えられています。

3.喫煙をしている

喫煙と大腸がんの関連性は明確にはされていません。しかし、タバコは発がん物質が含まれているため、なんらかの影響があると考えられています。大腸がん以外のがんを予防するためにも、禁煙をして受動喫煙にも注意しましょう。

4.食生活が乱れている

食生活の乱れは大腸がんのリスクを高めます。食生活において、動物性の高脂肪食や高タンパク食は大腸がんのリスクを高めるとされています。とくに赤身の食べ過ぎは注意が必要です。実際に肉の消費量が多い米国では、大腸がんの発生率が高いと報告があります。

一方、食物繊維が含まれる食材は大腸がんの予防に有効です。穀類や豆類など食物繊維が含まれる食材を主食とすることが多いアジア人やアフリカ人は、欧米人と比較して大腸がんの発生率が低いです。

このことから、食物繊維が含まれる穀類や豆類、野菜、果物などは大腸がんの予防に有効と示唆されています。その他にも、カルシウムやビタミンDなどもがん予防に有効と報告があります。

5.大腸がんの家族歴がある

遺伝疾患である家族性大腸ポリポーシスは、大腸がんの発生の要因です。家族性大腸ポリポーシスとは、良性のポリープが大腸全体に多発する病気です。

良性のポリープも一部がん化のリスクがあるため、放置していると大腸がんを発症する恐れがあります。家族性大腸ポリポーシスや大腸がんの家族歴がある方は、早期に検査を受けることを推奨します。

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40歳過ぎたら定期的に大腸がん検診を受けよう

大腸がんの発症リスクは年齢とともに高まります。とくに40歳を過ぎたら毎年の検診が推奨されています。過度の飲酒や運動不足、肉中心の食生活、喫煙習慣、肥満、家族歴などに該当する方は注意が必要です。

当クリニックは、日本消化器内視鏡学会に認定された消化器内視鏡専門医の資格を有している院長が、すべての検査を担当します。また、基幹病院にて高度な内視鏡治療に携わってきたため、麻酔コントロールにも精通しています。

土曜日や午前中の検査、術中ポリープ切除なども柔軟に対応可能です。血便が続いている方や便潜血検査で陽性結果が出た方は、まずは事前診察を受けましょう。

大腸カメラ事前診察

【監修者】
かわぐち内科・内視鏡クリニック
川口 佑輔

【参考文献】

厚生労働省「がん検診」
国立がん研究センター中央病院「大腸がんとは」
国立がん研究センターがん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 予防・検診」
厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
厚生労働省 「健康日本21(アルコール)」
がん対策研究所「大腸がんのリスクファクター」

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