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血便・下血

血便・下血とは?

血便と下血は医療関係者でも混同して使用している医学用語です。

血便 肛門から赤い血が出る症状を指します。
痔核や大腸がんなど下部消化管(大腸カメラで観察できる領域)から出血している可能性が考慮されます。
下血 肛門から黒い便(黒色便、タール便などと呼ばれます)が出る症状を指します。
胃潰瘍や胃がんなど上部消化管(胃カメラで観察できる領域)からの出血が想定されます。

外来時にはこの便の性状、色を聞き、胃カメラ、大腸カメラのどちらが必要か判断します。

血便・下血を生じる疾患

上述した通り血便の場合には下部消化管(特に大腸)の疾患を考慮します。

血便を生じる疾患

痔核

日本人の3人に1人は痔で悩んだことがある と言われるほど頻度の高い疾患です。

大腸がん

日本人で一番有病率の高い悪性腫瘍です。
進行した大腸がんでは便秘や便が細い、腹部膨満などを伴う事があります。

大腸ポリープ

基本的に大腸ポリープから出血することは稀ですが、血液をさらさらにする薬を飲んでいる患者様などでは大きな大腸ポリープがあるとそこから出血することがあります。

大腸憩室出血

大腸憩室出血はそれなりに頻度が高い疾患であり、腹痛を伴わない多量の血便が特徴です。
出血量が多い場合には内視鏡処置では止血できず、血管造影により責任血管(出血している血管)の塞栓術(血管を詰め物で閉塞させる)を行う場合もあります。

潰瘍性大腸炎

難病指定されている原因不明の炎症性腸疾患です。
慢性経過の下痢・血便を伴う場合にはこの疾患が考慮されます。

虚血性腸炎

あまり知られていませんが、中年の便秘を伴う女性に多い疾患です。
典型的には腹痛から始まり、数時間後に血便を伴います。

感染性腸炎

感染性腸炎でもひどくなると血便を伴います。
血便量が多い場合にはO157に代表される細菌性腸炎の可能性も考慮されます。

下血を生じる疾患

下血は上部消化管(食道・胃・十二指腸)の疾患を考慮します。

食道がん

喫煙、大酒家(飲酒量の多い方)に生じやすい悪性腫瘍です。
大きくなると『食事が通過せず、詰まるような感じ』という主訴で来院されます。

胃がん

代表的な消化管の悪性腫瘍です。
ピロリ菌の感染が関与する事が多く、除菌を終えても生じる可能性があります。

胃・十二指腸潰瘍

ストレス性やピロリ菌によるもの、また頭痛や生理痛などで市販の解熱鎮痛薬を常用している方などに生じます。

胃ポリープ

通常出血は起こりませんが、大腸ポリープと同様出血素因のある方では、稀に出血を伴う事があります。

診断

まず始めに問診にて血便か下血か、大腸カメラを行うべきか胃カメラを行うべきかを判断します。
また採血にて貧血の進行状況を確認し、出血量を推定します。
血便の場合下部消化管の出血を想定するため、大腸カメラの施行を考慮します。

しかし、腹痛を伴う血便の場合、腸の炎症がBaseにある可能性があります。
虚血性腸炎や感染性腸炎などの場合、症状の強い時期に内視鏡を行うのは症状の増悪を招く可能性や最悪腸が破れてしまう、いわゆる消化管穿孔に繋がる可能性もあります。
そのような疾患を考慮した場合には、最初にCTを撮像し、大腸炎症所見の程度を判断してから大腸カメラを行います。

下血の場合には上部消化管からの出血が想定されるため、胃カメラの施行を考慮します。

治療

出血の原因により対応は大きく異なります。
疾患毎に適切に対応し、必要があれば連携のある高次医療機関にご紹介させていただきます。

上記で述べてきた通り、血便・下血が生じたら、間違えなく医療機関を受診下さい。
そして重症度を判断のうえ、胃カメラ、大腸カメラの施行をご検討下さい。

 

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