内視鏡検査前の注意事項について
内視鏡検査前には様々な規制があり、どのように過ごせば良いか不安になる方もいらっしゃると思います。
このページでは、内視鏡検査前日の注意事項について記載をさせて頂きます。
【監修者】
かわぐち内科・内視鏡クリニック
川口 佑輔
- 2010年北里大学医学部卒業
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓病学会専門医
内視鏡検査前の食事や飲み物について
大腸カメラの場合
大腸カメラ前日まで
検査2日前より参考画像のような消化の良い食事をして頂きます。
(当院ではあまり厳しい制限は設けていないため、飲み会などの予定が入っていなければ調整はさほど問題ないと考えます)
控える食べ物としては
- キノコ
- 海藻
- 豆類
- 生の野菜
- 脂の多い肉
- 種の入っているもの(トマト・キウイなど)
が挙げられます。
エーザイ株式会社より
大腸カメラ前日
検査前日も引き続き消化の良い食事を継続して頂きます。
夕食は20時までに済ませ、それ以降は食べ物の摂取は控えて頂きます。
飲みものの摂取は可能です。
センノシドという下剤を20-22時(寝る前頃)に2錠内服して下さい。(大腸カメラ当日に飲む腸管洗浄剤をよりスムーズに飲んでいただくために必要です)
大腸カメラ当日検査前
当日は絶食をお願いしております。
水分は大腸カメラ直前まで摂取可能ですが、色がないもの、当分が入っていないものを飲むようにして下さい。
(牛乳やジュースなどは不可)
大腸カメラ後
大腸カメラ後は、ポリープ切除や胃カメラ同日施行の有無などにより対応が異なります。
検査後に医師又は看護師よりご案内させて頂きます。
胃カメラの場合
胃カメラ前日まで
特に制限はございません。
胃カメラ前日
21時までに夕食を済ませて下さい。
飲酒は少量のみ可としております。
飲水は21時以降も可能です。
胃カメラ当日検査前
午前中の胃カメラ検査の場合、朝食をとる事は出来ません。万が一誤って朝食を摂取してしまった場合、胃内に残渣が残り正確な検査が不能となるばかりか、検査中に残渣を嘔吐して誤嚥するリスクもありますので、検査は中止とさせていただきます。
飲水は検査1時間前までとして頂き、それ以降は絶飲食をお願いしております。
また検査当日は、牛乳などの色のついた飲み物は控えて頂きます。
胃カメラ後
胃カメラ後1時間は喉の麻酔が残りますので、飲水・食事は不可となります。
胃カメラ1時間後、喉の違和感やつばの飲み込みが問題なければ少量の飲水より開始して頂き、飲水が問題なければ食事に関しては制限なく可能となります。
内視鏡検査前日の食事は消化の良いものにしてください
『消化の良い食べ物』とは?
消化の良い食べ物とは、消化管で効率的に分解・吸収される食品のことを指します。
消化管で効率的に分解・吸収されるという事は、つまり胃や腸に留まる時間が短い ということです。
内視鏡検査の前に消化の良い食べ物を取る理由は、このように胃や腸に留まる時間が短い食事を食べる事で、検査時に胃や腸に食事の残渣が少なくなり、より効率的な検査に繋がるからです。
検査前日の食事~消化の良い食べ物を摂取する~
検査前日に食べても良いもの |
白米、おかゆ、うどん、そーめん、食パン、蒸しパン 鳥肉類、魚類、煮込んで軟らかくした牛肉(シチューなど) ヨーグルト、バナナ、みそ汁、スープ、卵焼き、豆腐、ポテトサラダ、ゼリー など |
検査前日に食べない方が良いもの |
ピザやあんパンなど、脂質の多いパン ソーセージなどの加工肉、ステーキなどの硬い肉類、魚の皮など 生の野菜、種の多いもの(トマトやイチゴ、キウイなど)、きのこ、海藻(わかめやのり)、大豆(納豆)などの豆類、ナッツ類 など |
内視鏡検査前日の嗜好品(アルコール・たぼこ)について
胃カメラ・大腸カメラ共に、アルコールは少量であれば可としております。
大量の飲酒は、検査当日の出血リスクを助長する恐れがあるためお控え下さい。
また喫煙に関しましては、特に制限はございません。
内視鏡検査前の薬の内服について
胃カメラ・大腸カメラの実施に際して調整が必要になる薬剤は、抗凝固薬(血をサラサラにする薬)と糖尿病の薬です。
抗凝固薬(血をサラサラにする薬)
抗凝固薬はいわゆる『血液をサラサラにする薬』であり、脳梗塞や心筋梗塞の際によく処方される薬です。
各病態により処方理由や処方薬の種類は異なりますが、基本的には血液をサラサラにする事で、血液が詰まり(梗塞)臓器障害が起こる事を予防する目的で使われています。
必要があるから血液をサラサラにしているのですが、内視鏡の観点から言うと、血液がサラサラになる事で組織をつまんだりポリープを切除したりする際の出血のリスクが上がってしまう事が問題となります。
抗凝固薬を飲んでいる理由や病態にもよりますが、一時的に抗凝固薬を休薬して頂く可能性があります。
抗凝固薬については、内服している薬の種類や病態により対応が異なりますので、内視鏡検査前には薬手帳を持参の上、必ず医師に相談するようにして下さい。
糖尿病の薬
糖尿病の薬には様々な種類がありますが、総じて血糖値を下げる薬を指します。
血糖値は食事により上下動しますので、内視鏡のために絶食し糖尿病の薬を飲むと必要以上に血糖値が下がってしまう恐れがあります。
絶食の時には、糖尿病の薬(経口血糖下降薬やインスリン)は控えて頂く必要があります。
薬剤の種類にもよりますので、糖尿病の薬を内服されている場合には、必ず医師にご相談下さい。
※なお1型糖尿病患者様の場合、持効型インスリン(1日にわたり長く効くタイプのインスリン)は必須になります。
1型糖尿病の患者様も必ず医師にご相談下さい。
内視鏡検査前日の食事に関するよくあるご質問
Q:大腸カメラ前日の下剤(センノシド錠)を飲み忘れました。検査当日、腸管洗浄剤を開始しても良いですか?
A:開始して頂いて構いません。
センノシドは腸管を動かすタイプの下剤です。検査当日の腸管洗浄剤内服をよりスムーズにするために内服して頂いています。
センノシドがないと、腸がきれいにならない訳ではないので、腸管洗浄剤の内服は可能です。
Q:大腸カメラ当日の腸管洗浄剤内服開始が遅れてしまいました。何時間前から内服を開始すれば大腸カメラに間に合いますか?
当院で使用しているモビプレップは平均3時間ほどで腸内がきれいになると報告されています。
ですので、14時開始の検査であれば11時までに内服を開始すれば、何とか間に合う可能性が高いという判断となります。
ただしその患者様の状態(年齢、便秘の有無など)で腸内がきれいになる時間は異なりますので、予めご了承下さい。
Q:内視鏡検査日の朝に誤って食事を食べてしまいました。検査はできませんか?
胃カメラ、大腸カメラ、共に検査施行は困難です。
Q:腸管洗浄剤は前日から飲みますか?
腸管洗浄剤を前日から内服すると思っている方は、実は多くいらっしゃいます。
前日に飲む下剤はセンノシドという錠剤であり、腸管洗浄剤(2Lの液体下剤)は当日の朝から内服して頂きます。
当院では、麻酔薬を使った苦痛の少ない内視鏡検査を行っています。内視鏡専門医である院長が責任を持って担当し、大腸ポリープがあれば当日切除も可能です。
検査の説明を聞いてから大腸カメラを受けたい方は【外来Web予約】へお進みください。
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