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苦痛の少ない大腸カメラ検査

 

大腸カメラ検査とは?

大腸カメラ検査は、おしりから内視鏡を挿入し、大腸の中を直接観察する検査です。近年の日本では食生活の欧米化により大腸がんが飛躍的に増えており、その大腸がんを組織学的に診断する事ができる、非常に重要な検査です。
しかしその一方で、便潜血陽性や血便などがあっても大腸カメラを受けず、やがては進行大腸がんを発症して命を落とす患者様がたくさんいらっしゃいます。

大腸カメラを受けたくない理由、それは恐らく

  1. 痛そう・苦しそう
  2. 下剤を飲むのが辛そう
  3. 時間がかかるため面倒くさい 

などという要素が原因であると考えます。

1~3全てを解決する事は困難ですが、熟練した医師・看護師が連携し、少しでも苦痛の少ない内視鏡検査を提供できる体制を整えております。

大腸カメラを検討する症状やタイミング

先に述べたように、日本では大腸がんが非常に増え、男女合計の罹患数が1位となりました。
大腸がんは早期であれば内視鏡治療や外科的手術で切除が可能であり、早期発見が非常に重要となります。
大腸がんは比較的若年でも発症することがあり、50歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受ける事をお勧めしています。

また下痢が長く続く患者様は、潰瘍性大腸炎を始めとした炎症性腸疾患に罹患している可能性があります。
適切な診断で症状を劇的に改善させる可能性があります。

大腸カメラを検討する症状・タイミング

便潜血検査とは

糞便中に含まれる微量の血液の有無を調べる検査の事で、主に大腸がんのスクリーニング検査として広く行われています。
具体的には検診などの際に便回収キットが配布され、2日間の便を1セットとして提出する方法が行われています。

①便潜血陽性となった際の対応

便潜血検査を行うと、約7%の方が陽性となり、陽性の方のうち約2~3%に癌が見つかると言われており、大腸カメラ検査を行うことが推奨されています。
2~3%しか癌ではない、と思われる方もいるかもしれませんが、2~3%も癌である、と個人的には思います。
また大腸がんはなくても、大腸ポリープがみつかることも20%~30%ほどあります。
大腸の場合、大腸ポリープの一種である『腺腫』が、やがて大腸がんになる可能性がある事が証明されており、大腸カメラを行えば大抵の腺腫は内視鏡手術で切除することが可能です。

大腸がんは進行すればもちろん命に関わる病気ですから、便潜血陽性を指摘されたら、絶対に大腸カメラを受ける事をお勧めいたします。

②便潜血陽性で大腸カメラを行ったのに、病気を指摘されなかった場合

先ほども述べたように、便潜血陽性で大腸カメラを行い大腸がんがみつかる可能性は2~3%程度です。
便潜血反応は痔核による微量な出血なども検出するため、大腸カメラを行い所見が何もなければ基本的に心配する必要はありません。

大腸カメラで分かる病気

大腸がんは上述した症状を生じる事がありますが、早期ではほとんどが無症状です。
症状がない患者様では便潜血陽性を契機に大腸カメラを行い、大腸がんが発見されることが多いですが、そもそも便潜血する陽性にならない大腸がんも存在します。
大腸がんの発症リスクは40~50歳以降上昇しますので、50歳を過ぎたら一度は大腸カメラの施行をご検討下さい。

大腸ポリープは、大腸がんの発生墓地となります。
大腸カメラを行いポリープがあった場合にはほとんどのポリープが外来にて除去可能です。
慢性的な下痢がある場合には、潰瘍性大腸炎を始めとした炎症性腸疾患に罹患している可能性があります。

大腸カメラで分かる病気を挙げましたので、ご参照ください。

大腸カメラで分かる病気

当院の大腸カメラの強み・こだわり

 

全例で内視鏡専門医である院長が対応

大きな病院やクリニックでは、設備の面で安心感があるかもしれません。

ですが、内視鏡初心者~上級医まで様々な医師がおり、どの医師に当たるかはある意味運のようなものです。

当院では内視鏡専門医で大腸カメラの経験が10.000件を超えている院長が、全例で責任を持って大腸カメラ検査を担当致します。

※『内視鏡専門医』は日本内視鏡学会が定めたもので、十分な大腸カメラならびにその関連手技(大腸ポリープの切除や消化管出血の止血術など)の経験を有し、かつ筆記試験をクリアした医師を指します。

Webで大腸カメラ予約

大腸カメラを行いたいと思って医療機関を受診したら、自分の都合に合う検査枠がなく、検査がだいぶ先になってしまうことがよくあります。

当院では大腸カメラの日程自体をWebから予約できます。

詳しくは下記バナーをご覧ください。

『痛くない』を追求 ~鎮静剤使用を中心に~

大腸カメラが不安な原因第一位が、『痛そう』です。

そもそもなぜ大腸カメラで痛みを伴う可能性があるのか?

それは、大腸の一部、特にS状結腸という部分の走行が千差万別であり、その部分を通過して大腸の深部に進む際に痛みが生じるからです。

当院では以下の方法により、少しでも多くの方が痛みを感じずに大腸カメラを終えられるよう工夫しています。

鎮静剤の使用

鎮静剤の効果の出方は人それぞれ異なります。

当院では、1人1人の状態に合わせて鎮静剤の種類や量を選択し、大腸カメラを行います。

また当院では『ペチジン』という鎮痛剤も使用しており、鎮静剤と鎮痛剤のダブルの作用により痛みの軽減を目指してます。

薬剤の使用は合併症の危険を伴いますが、経験豊富な医師が適切に薬剤を使用致しますのでご安心下さい。

軸保持短縮法による挿入

大腸カメラを盲腸(大腸の一番奥)まで挿入する際にいくつかの曲がり角があます。
特に図の〇で記したS状結腸の部分は、患者様によっては矢印の方向に延びてしまったり、癒着の影響を受け固くなっていたりと、疼痛の原因になりやすい場所です。

軸保持短縮法では曲がり角をなるべく押し込まず、腸を丁寧に畳みながら直線化して大腸の奥に進めていくため、大腸を押して伸ばすことなく疼痛が出にくいとされています。
言うのは簡単ですが、熟練の技術が必要となり、また患者様の腸管の走行によっては軸保持になりにくい患者様もいらっしゃいます。
当院では可能な限り軸保持短縮法を行い、また軸保持が難しい患者様でも適切なループを描く事により苦痛が軽減されますので、②の鎮静剤の使用も含め、苦痛の少ない大腸内視鏡検査を提供できると考えております。

CO2送気

空気より吸収が極めて速いCO2を使用する事により、検査中・検査後にガスが腸管内に溜まりにくく、苦痛の軽減につながります。

先端キャップの装着

スコープの先端にキャップを付ける事で腸管粘膜との間に距離が取れ、進行方向の把握に役立ちます。

コストはかかりますが、先端キャップを付ける事で大腸カメラの深部への挿入に有利になるだけではなく、大腸内の観察の際にもポリープの発見率の上昇に寄与する事が報告されています。

 

選べる下剤

当院ではモビプレップとマグコロールという2種類の下剤を使用しています。

 

日帰りポリープ切除

ポリープ切除は内視鏡『手術』に当てはまります。
大抵のポリープは当院で外来にて切除する事ができます。
10mmを超え20㎜に迫るまたは超えるような腫瘍(ポリープ)がある場合には当院での切除は不能ですので、高次医療機関をご紹介させていただきます。

胃カメラ・大腸カメラ同日施行

『せっかくやるなら、胃カメラと大腸カメラを同日に施行したい』というご意見をよく伺います。

(自分もどうせやるなら胃カメラ・大腸カメラを同日に施行したいと切に思います)

同日施行にはクリニックとしてはハードルがありますが、当院では胃カメラ・大腸カメラ同日施行が可能です。

※胃がん検診施行時の大腸カメラとの併用は、胃がん検診の細かなルールの問題で困難です。予めご了承下さい。

土曜日の大腸カメラ

平日はお仕事で忙しい方のために、土曜日も午後まで内視鏡検査を実施しております。

需要が多い枠ですので、希望のお日にちがある場合にはお早目のご予約を推奨しております。

午前中の大腸カメラ

午前に大腸カメラを終わらせる事ができ、お昼にはお食事を食べる事ができます。

朝6時から腸管洗浄剤の内服が必要ですが、仕事で忙しい方には良い選択肢となります。

リカバリールーム ~疲れた皆様に少しの安らぎを~

大腸検査では鎮静剤を使用する事が多いため、検査後の休憩が必要となります。
処置台はリクライニング式、可動式のベッドであり、検査後はベッドに乗ったままリカバリールームまで移動し、休憩する事が可能です。

高次医療機関との連携

永寿総合病院、三井記念病院、東京大学医科学研究所病院、虎ノ門病院、日本医科大学病院など、多くの施設と提携しております。

万が一大腸がんが見つかっても、必要があれば即日ご希望の医療機関へご紹介させて頂きます。

 

 

大腸カメラの流れ

1
外来にて大腸カメラの予約をします。
糖尿病薬や血をサラサラにするお薬を内服中の患者さんは、お薬の休薬が必要となる事がございます。
それらの事を踏まえ、問診を行い、同意書の記載をお願いしています。
また大腸カメラの場合には下剤の内服方法の説明も必須となりますので、予約時外来の際に十分な説明を行います。

 

2
夕食は20時までに摂取し、お渡しする資料の内容に沿って低残渣な食事を心がけて頂きます。
また眠前に下剤の内服を行って頂きます。

 

3
当日は朝食事が食べられません。
8時から腸管洗浄液(当院ではモビプレップ)の内服を開始します。
たいていの人は4時間ほどで便が綺麗になります。
14時以降の予約時間に合わせて受診頂き、検査を行っていきます。
基本的には鎮痛薬・鎮静薬の点滴を行い検査開始となります。

 

4
大腸の場合40%以上の方が腺腫というポリープを持っている可能性があります。
ポリープを切除した場合には約1週間、旅行・過度な運動・アルコールが禁止となりますので、ご予定の調整をお願いします。

 

5
治療終了後は鎮痛薬・鎮静薬が少し残りますので30分ほどのリカバリールームでの休憩が必要となります。

 

6
検査の2週間後に外来予約とし、切除したポリープの病理組織結果や、その他の腸管の状態についての説明を行います。

大腸カメラの費用 ~値下げしました~

2024年6月より値下げしました!

とは言ってもこれは当院だけでなく、全医療機関のお話ですが・・

2024年診療報酬改定により、大腸カメラでポリープを切除した場合の値段が4000円近く値下がりしました。

クリニックにとっては大打撃ですが、患者様にとっては非常にポジティブなお話です。

是非、値段の面でも少しでもハードルを下げて大腸カメラをご検討下さい。

 

大腸カメラ検査を行う場合、施行した内容によって、値段がかなり異なります。

初回診察料、血液検査、使用薬剤料など

3割負担で約2000円~3500円

解説

大腸カメラの場合、大腸ポリープが見つかれば内視鏡手術(大腸ポリープ切除術)が行われます。大腸ポリープ切除術は専門用語ですが、高出血危険度処置に当てはまるため、診察・問診・採血にて出血リスクが高くないかを確認する必要があります。
また、大腸カメラ前日に下剤の内服を、当日は腸管洗浄液の内服を必要とするため、その薬剤料がかかります。
当院初診か否か、採血をどの項目まで行うか、腸管洗浄液の種類により値段も異なってきます。

大腸内視鏡検査

1550点(15500円)+各種薬剤料

解説

大腸カメラで大腸の奥まで観察した際の点数です。
そこに腸管の動きを抑える薬や鎮静薬・鎮痛薬などを使用する分だけ、+αでコストがかかります。

ポリープを切除した場合

内視鏡的大腸ポリープ切除術 5000点(50000円)+病理組織顕微鏡検査(T-M)860点×切除臓器数(8600円×切除臓器数)+組織診断料520点(5200円)+病理診断管理料1 120点(1200円)+短期滞在手術等基本料 2718点(27180円)1359点(13590円)

解説

大腸ポリープを切除すると、内視鏡手術となり、コストが大きく異なってきます。
その場合、上述の大腸内視鏡検査から、内視鏡的大腸ポリープ切除術にコストが変更となります(ポリープを切除した場合、大腸内視鏡検査1550点はなくなり、代わりに内視鏡的大腸ポリープ切除術5000点に切り替わります)。

また保険上は、『盲腸』、『上行結腸・横行結腸・下行結腸』、『S状結腸』、『直腸』は別臓器と規定されており、例えば盲腸とS状結腸からポリープを切除した場合には2臓器となり、2臓器の場合T-Mは×2(つまり860点×2=1720点)となります。
こちらは最大で3臓器までのコストとなります。

上記が料金となります。

まとめ

大腸内視鏡検査当日の金額

  1割負担 3割負担
大腸カメラ(観察のみ) 2000円前後 6000円前後
大腸カメラ+病理組織検査 3500~5000円前後 10500~15000円前後
大腸ポリープ切除 8000~10000円前後 24000~29000円前後

※当院の病理組織検査については『胃カメラ・大腸カメラの病理検査について』をご覧ください。

 

大腸カメラ予約

大腸カメラWeb予約

大腸カメラを予約するためには下剤の処方が必要ですので、検査の前にまず一度外来への受診が必要となります。
ただし、良く聞くご意見として、『外来に行ってから検査の日程が分かるため、いざ予約しようとしても希望日で予約できず、日程調整に苦労した』という意見です。
そんな方のために当院では、『大腸カメラWeb予約』を導入しています。
検査前の外来はもちろん必要ですが、検査日が予め決められるため検査予約がスムースだったとご意見を頂いております。

大腸カメラWeb予約はこちらから

初診外来予約

自分は本当に大腸カメラを行った方が良いのか不安な方もいらっしゃいますよね。
まずは診察を行い、説明をしっかり聞いてから大腸カメラを予約した方は『初診外来予約』へお進みください。

初診外来予約はこちらから

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川口 佑輔

2010年北里大学医学部卒業

日本内科学会認定医 日本内科学会 (naika.or.jp)

日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器内視鏡学会 (jges.net)

日本肝臓病学会専門医 一般社団法人 日本肝臓学会 (jsh.or.jp)

医学博士 Failure Factors to Reach the Blind End Using a Short-Type Single Balloon Enteroscope for ERCP with Roux-en-Y Reconstruction: A Multicenter Retrospective Study

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