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便秘

便秘症とは慢性便秘症診療ガイドライン2017において、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
ただし、症状の感じ方は人それぞれであり、2日に1回の排便を普通であると感じる方もいれば、毎日出ていても一回量が少なく便秘と感じる方もいらっしゃいます。
慢性便秘症の診断基準を添付しましたが、要するに便秘と感じる方は便秘症という事になります。

『便秘症』の診断基準
以下の6項目のうち、2項目以上を満たす
  • 排便の4分の1超の頻度で、強くいきむ必要がある。
  • 排便の4分の1超の頻度で、兎糞状便または硬便である。
  • 排便の4分の1超の頻度で、残便感を感じる。
  • 排便の4分の1超の頻度で、直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある。
  • 排便の4分の1超の頻度で、用手的な排便介助が必要である(摘便・会陰部圧迫など)。
  • 自発的な排便回数が、週に3回未満である。
『慢性』の診断基準
6ヶ月以上前から症状があり、最近3ヶ月間は上記の基準を満たしていること。

少し古いデータにはなりますが平成のデータでは、男性2.5%、女性4.6%が便秘症状を有しているという報告があります。
ただ、実際に外来業務を行っていると、それ以上の方が便秘症状を有している印象です。

便秘と自覚される方のほとんどは慢性的な経過の方ですが、時に急に便が出なくなった・腹部が張るようになった、などの場合には腸閉塞をきたしている場合もあり注意が必要です。

便秘を生じる疾患

慢性便秘症

様々な検査を行っても原因が見つからないTypeで、頻度としても最も多いTypeです。

便秘型過敏性腸症候群

腹部膨満感が強く、排便で改善する事が多いです。
こちらも他の検査にて便秘の原因がないことが条件となります。

薬剤性便秘

麻薬や抗うつ薬などの内服は便秘の原因となります。

大腸がん

血便や体重減少、便の狭小化を伴う事があります。
これらの症状がみられる場合には早めの受診が必要です。

腹部手術歴がある患者様の腸管蠕動障害(腸管の動きが悪い)

術後の癒着により、腸管の動きが低下し便秘となります。

腸閉塞

手術の影響やヘルニア嵌頓などにより、腸の一部が詰まることにより便が出なくなります。
急激に症状が発生する事が多く、腹部膨満、嘔吐、腹痛を伴います。
腹部のレントゲンを撮る事で大抵の腸閉塞は診断することが可能です。

診断

問診

症状の経過(慢性か急性か)、付随する症状(血便、体重減少、便の狭小化)などを問診します。

診察

腹部の膨満の有無、腹痛があればその程度や場所などを診察することで、重症度などを判定します。

腹部レントゲン検査

大腸内の便の貯留の状態や、小腸・大腸の腸閉塞の有無を確認できます。

大腸カメラ

慢性便秘のある患者様の場合、ベースに大腸がんが隠れている可能性もありますので、一度は大腸カメラ検査の施行をお勧めします。

治療

生活習慣の改善

① 適度な運動

適度に身体を動かすことで、腸管の蠕動運動(腸管の便を肛門側に押し出そうとする動き)が促進され、便秘の改善に繋がります。

② 食物繊維の摂取

腸管の蠕動は正常であっても、食物繊維が不足していると、便秘の原因になり得ます。
18~20g/日の摂取で症状が改善する場合が多いとされています。

内服加療

下剤はかなりの種類があり、症状に応じて選択していく必要があります。

① 便を柔らかくする薬
浸透圧性下剤:酸化マグネシウム

昔から使用されていた下剤で、市販薬として薬局にも置いてある薬です。
腸管内(主に大腸)に水分を引き付け、便を柔らかくして排便を促す作用があります。
副作用として腎機能障害が有名です。

上皮機能変容薬:ルビプロストン(商品名:アミティーザ)、リナクトチド(商品名:リンゼス)

小腸や腸粘膜上皮に作用し腸管内への水分分泌を増加して排便を促進する新しいタイプの薬剤です。
腎機能障害のリスクが少ない反面、患者様によってはかなりの下痢になる事や、嘔気が生じる事があります。

② 腸管蠕動促進薬
刺激性下剤:センノシド(プルゼニド)、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)

大腸の動きを促進し、排便を促す薬剤です。作用が強く依存性があります。

③ 座薬、浣腸:新レシカルボン坐剤、グリセリン浣腸

坐剤:腸に刺激を与えることで詰まった便を排便させる作用があります。
浣腸:便と腸の滑りを良くしたり、腸を刺激することによるにより排便を促します。

④ 膨張性下剤:ポリカルボフィルカルシウム(商品名:ポリフル、コロネル)

下痢の時:便中の水分を吸収し、便回数も減らします。
便秘の時:腸管内に水分を維持させ、排便を促進します。
過敏性腸症候群の患者様は便秘と下痢を繰り返すパターンの人がおり、どちらにも効果を示すのがこのお薬です。

その他

便秘の原因に応じて必要な対処を行います。
例)大腸がんが便秘の原因であった場合
→提携の高次医療機関にご紹介させていただきます。

便秘の患者様は一度医療機関を受診し、大きな疾患が隠れていないかチェックが必要ですので是非お気軽に受診下さい。

下痢

人間の消化管は食道、胃、十二指腸、小腸(空腸・回腸)、大腸からなら一本の管状臓器です。
口から食事を摂取すると、その消化・吸収のために胃液、腸液、胆汁など様々な消化液が分泌され、食事も合わせると毎日8~10Lほどの液体が腸管を通る事になります。
そしてその水分は小腸・大腸にて90%以上が再吸収され、残りが便として排出されます。
そのため、小腸、大腸で何等かの理由で水分の吸収ができなくなると、便の水分量が増加し、下痢症状として現れます。

急性下痢は症状が現れる期間が短く、下痢が3週間以上続く場合は慢性下痢となります。
急性下痢のほとんどはウイルスや細菌感染による感染性腸炎が原因です。

下痢を生じる疾患

感染性腸炎

ウイルス性腸炎、細菌性腸炎を指します。
ウイルス性はノロウイルス、ロタウイルスなどが、細菌性ではキャンピロバクターやサルモネラ、病原性大腸菌などが原因となります。

薬剤性下痢

抗生剤や下剤の使用により下痢になることがあります。

下痢型過敏性腸症候群

下痢と便秘を繰り返したり、排便にて症状が速やかに改善したりする特徴があります。
他に下痢の原因となる検査所見が何もないことが条件となります。

過敏性腸症候群

潰瘍性大腸炎

以前より下痢があり、その他腹痛や血便などを伴うと疑いが強くなります。
大腸カメラでの診断が必須です。

潰瘍性大腸炎

慢性膵炎

膵臓の働きの一つとして、膵液という消化酵素の分泌があります。
慢性膵炎は進行すると、膵液の分泌量が減り、消化する力が弱まり、やがて下痢を来します。

診断

問診、診察

急性か慢性化、発熱の有無、腹痛の有無、などにより症状の原因や重症度を測ります。

採血

頻度が高い感染性腸炎の時などは、採血にて炎症反応の値が上がります。
また下痢がひどいと脱水となり、腎臓の機能が悪化します。

大腸カメラ

急性の下痢の場合はほとんどの患者様で大腸カメラは必要となりません。
しかし、出血を伴う場合や、下痢が長期間生じている場合には大腸カメラの施行が推奨されます。

大腸カメラ

治療

① 感染性腸炎の場合

頻度がもっとも高い感染性腸炎による下痢の場合、止痢薬(下痢を止める薬)の使用はウイルスや細菌を腸管内にとどめる事につながり、症状の増悪を招く恐れがあります。
整腸剤(腸の細菌のバランスを整える)は副作用もほとんどないため、ほぼ全例で処方します。

また、問診や診察、採血所見などによりウイルス性か細菌性かを判別します。(完全に判別することは難しいですが)
細菌性の場合には重症度に応じて抗菌薬を処方します。
ウイルス性の場合、特効薬はありません。
ウイルス性も細菌性も基本的には3-5日ほどで症状は改善しますので、その間は水分の摂取(スポーツドリンクを中心に)を十分に行い、症状の改善を待ちます。

② その他の疾患

疾患毎の治療が必要となりますので、診断結果に応じて適切に対処します。

腹痛

腹痛は消化器内科領域で最も多い主訴の一つであり、それだけ多くの患者様が経験される症状であると言えます。
腹痛は内臓痛と体性痛に分類されます。

内臓痛 消化管の収縮、伸展、痙攣、拡張などによって起こる痛みで、自律神経を介して感じる腹痛です。
痛みの部位が明確でなく、周期的にお腹全体が何となく痛いという鈍痛で,吐き気や悪心、冷や汗といった症状をともなうことがあります。
例)・感染性腸炎による下痢、腹痛など
  ・虫垂炎の初期
体性痛 内臓をとりまく腹膜や腸間膜(腸と腸との間にある膜)、横隔膜などに分布している知覚神経が刺激されて起こる腹痛です。
一般に刺すような鋭い痛み(疝痛)が持続的に続きます。
内臓痛よりも痛みの部位がはっきりとしています。
例)虫垂炎が増悪し、腹膜に炎症が波及した場合など

一般に体性痛を生じている場合、手術を考慮するような重篤な疾患を考慮します。

また腹痛を訴えて受診する患者様の中には、実は消化器の病気ではなく、心筋梗塞などが隠れている場合もあります。
そのため、消化器領域だけでなく、全身をしっかりと診察・検索することが重要となります。

腹痛を生じる病気

感染性腸炎

下痢や嘔気・嘔吐、発熱を伴います。

過敏性腸症候群

便秘と下痢を繰り替えす、排便後に腹痛が改善する、などが慢性的にあれば過敏性腸炎の可能性を疑います。

機能性ディスペプシア

腹部膨満や胸やけなど多彩な症状を呈します。
胃カメラで所見が何もないことが診断の手助けとなります。

機能性ディスペプシア

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

頭痛や生理痛などで日常的に鎮痛薬を内服している患者様の腹痛は、潰瘍を形成している可能性を強く疑います。

胆石胆のう炎

右の季肋部の疼痛があり、以前に胆石の指摘のある方で強く疑います。
腹部超音波検査で診断が可能です。

急性膵炎

アルコール多飲のある方や胆石のある方は膵炎の可能性を考慮します。
腹部超音波や採血が診断の手がかりとなります。

大腸憩室炎

あまり知られていませんが、頻度の高い病気です。
大腸に憩室という外側に窪んだ部屋があり、そこに炎症を生じたものが憩室炎です。

虚血性腸炎

まず左下腹部周辺の腹痛を生じ、その後に血便が出る疾患です。
中年女性、便秘がちな患者様に多くみられます。

潰瘍性大腸炎

慢性的な経過であることが多く、下痢や血便を伴います。

潰瘍性大腸炎

腸閉塞

突然の腹痛で、腹部膨満、排便障害、嘔気・嘔吐を伴います。
腹部レントゲン検査で診断が可能です。

悪性腫瘍(大腸がん、胃がん、膵がん、胆のうがん etc)

慢性的な痛みで原因が分からない場合には悪性腫瘍も考慮し、CT、胃カメラ、大腸カメラを行います。

消化器領域以外

尿路結石

典型的には左右どちらかの腰背部痛ですが、腹痛として受診される方おいらっしゃいます。
腹部超音波や採尿所見で診断が可能です。

帯状疱疹

上半身の片側に水泡形成がみられます。

心筋梗塞・大動脈解離

腹痛の中に隠れている命に関わる疾患です。
心臓は関係ないと思っても念のため心電図などチェックしておくことで見落としをなくします。

婦人科系疾患

若い女性では子宮外妊娠や卵巣捻転などを生じている可能性も考慮します。

Etc

診断

もちろんクリニックで全ての病気が診断できる訳ではありませんが、それでも恐らく80%以上の患者様の診断はできるものと思います。

問診、診察

症状の発症様式 急性or慢性
症状の強さ 気になる程度~激痛
症状の性状 持続痛or間欠痛(症状に波がある)、差し込まれるような痛みorピリピリする痛み
症状の部位  
付随する症状 発熱、嘔気・嘔吐、下痢、便秘、腹部膨満

上記を参考に疾患のあたりをつけ、検査に進んでいきます。

当院でできる検査

採血

炎症反応の上昇や、肝機能障害、腎機能障害の有無などをチェックします。

レントゲン

腸閉塞が原因であれば、特徴的な液面形成像が得られます。

心電図

急性心筋梗塞を起こしていないかどうか判断します。

超音波検査

胆のう炎や胆管炎、膵炎、尿路結石などは腹部エコーを行うことで診断できる可能性があります。

治療

上記の手順で診断を行い、腹痛の程度により鎮痛薬を処方します。
また早期入院治療が必要な病気の場合には、高次医療機関をご案内させていただきます。

血便・下血

血便・下血とは?

血便と下血は医療関係者でも混同して使用している医学用語です。

血便 肛門から赤い血が出る症状を指します。
痔核や大腸がんなど下部消化管(大腸カメラで観察できる領域)から出血している可能性が考慮されます。
下血 肛門から黒い便(黒色便、タール便などと呼ばれます)が出る症状を指します。
胃潰瘍や胃がんなど上部消化管(胃カメラで観察できる領域)からの出血が想定されます。

外来時にはこの便の性状、色を聞き、胃カメラ、大腸カメラのどちらが必要か判断します。

血便・下血を生じる疾患

上述した通り血便の場合には下部消化管(特に大腸)の疾患を考慮します。

血便を生じる疾患

痔核

日本人の3人に1人は痔で悩んだことがある と言われるほど頻度の高い疾患です。

大腸がん

日本人で一番有病率の高い悪性腫瘍です。
進行した大腸がんでは便秘や便が細い、腹部膨満などを伴う事があります。

大腸ポリープ

基本的に大腸ポリープから出血することは稀ですが、血液をさらさらにする薬を飲んでいる患者様などでは大きな大腸ポリープがあるとそこから出血することがあります。

大腸憩室出血

大腸憩室出血はそれなりに頻度が高い疾患であり、腹痛を伴わない多量の血便が特徴です。
出血量が多い場合には内視鏡処置では止血できず、血管造影により責任血管(出血している血管)の塞栓術(血管を詰め物で閉塞させる)を行う場合もあります。

潰瘍性大腸炎

難病指定されている原因不明の炎症性腸疾患です。
慢性経過の下痢・血便を伴う場合にはこの疾患が考慮されます。

虚血性腸炎

あまり知られていませんが、中年の便秘を伴う女性に多い疾患です。
典型的には腹痛から始まり、数時間後に血便を伴います。

感染性腸炎

感染性腸炎でもひどくなると血便を伴います。
血便量が多い場合にはO157に代表される細菌性腸炎の可能性も考慮されます。

下血を生じる疾患

下血は上部消化管(食道・胃・十二指腸)の疾患を考慮します。

食道がん

喫煙、大酒家(飲酒量の多い方)に生じやすい悪性腫瘍です。
大きくなると『食事が通過せず、詰まるような感じ』という主訴で来院されます。

胃がん

代表的な消化管の悪性腫瘍です。
ピロリ菌の感染が関与する事が多く、除菌を終えても生じる可能性があります。

胃・十二指腸潰瘍

ストレス性やピロリ菌によるもの、また頭痛や生理痛などで市販の解熱鎮痛薬を常用している方などに生じます。

胃ポリープ

通常出血は起こりませんが、大腸ポリープと同様出血素因のある方では、稀に出血を伴う事があります。

診断

まず始めに問診にて血便か下血か、大腸カメラを行うべきか胃カメラを行うべきかを判断します。
また採血にて貧血の進行状況を確認し、出血量を推定します。
血便の場合下部消化管の出血を想定するため、大腸カメラの施行を考慮します。

しかし、腹痛を伴う血便の場合、腸の炎症がBaseにある可能性があります。
虚血性腸炎や感染性腸炎などの場合、症状の強い時期に内視鏡を行うのは症状の増悪を招く可能性や最悪腸が破れてしまう、いわゆる消化管穿孔に繋がる可能性もあります。
そのような疾患を考慮した場合には、最初にCTを撮像し、大腸炎症所見の程度を判断してから大腸カメラを行います。

下血の場合には上部消化管からの出血が想定されるため、胃カメラの施行を考慮します。

治療

出血の原因により対応は大きく異なります。
疾患毎に適切に対応し、必要があれば連携のある高次医療機関にご紹介させていただきます。

上記で述べてきた通り、血便・下血が生じたら、間違えなく医療機関を受診下さい。
そして重症度を判断のうえ、胃カメラ、大腸カメラの施行をご検討下さい。

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