高血圧
高血圧の悩みを解消します!
日本の高血圧患者数は4300万人と推計されており、病院にかかる理由で一番多い疾患です。
そしてその高血圧で悩みを抱えている方は本当に多いです。
高血圧の方で悩みを聞いてみると
- 高血圧のみで本当に病院にかかった方がいいの?
- 薬は本当に飲まなければならないの?
- 同じ薬をもらうだけなのに通院を続ける必要はあるの?
- 薬の副作用は大丈夫?
このような悩みを抱えている方が多くいらっしゃいました。
このような悩みを解消し、患者さんのHappy Aging(健康寿命の増進)に繋げるために当院は診療を行っています。
当院の高血圧診療 3つのこだわり
1 高血圧治療は最初が肝心
高血圧を指摘されたら、最初が肝心です。
丁寧な問診で問題点を洗い出し、検査で何か他に原因があった高血圧を発症していないか(二次性高血圧)を調べる事が、その後の治療につながるからです。
2 不必要な薬は出しません
高血圧で受診するとすぐに薬が始まる事があります。もちろん重症度によっては薬を出す事もありますが、まずは生活習慣の改善で血圧が改善するか見ることが重要です。
薬には副作用もありますから、安易に薬だけに頼ったりはしません。
3 一人一人のニーズに合った治療を
そうは言っても、血圧のためだけにそんなに頻繁に受診できない働く世代の方も多くいらっしゃいます。薬が必要になった場合には、その患者様の背景を考慮し、
ご高齢であったりリスクが高い方の場合には1~1.5か月に一度、リスクが少なくお若い働き世代の患者様であれば最高2~3か月に一度の外来と、一人一人のニーズにあった
形で外来のフォローアップを行ってまいります。
その代わりいらっしゃった時には定期的に採血などの検査を行って、薬の副作用や他の問題が起こっていないか、しっかりチェックしていきましょう。
目次
高血圧とは
高血圧症とは、くり返して測っても血圧が正常より高い場合をいいます。くり返しの測定した診察室での血圧で、収縮期血圧が140mmHg以上、あるいは、拡張期血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。
現在我が国の高血圧患者さんは約4300万人いると推定されています。
高血圧症は脳卒中や虚血性心疾患の最大の危険因子です。高齢者においてこの脳心血管病は、癌とほぼ同程度の死亡原因となっており、十分な血圧のコントロールが求められています。
高血圧治療ガイドライン2019より
高血圧を放っておくと ~この事だけは分かっていてほしい~
健診で高血圧と診断されたあなた。本当に病院に行く必要があるの?と思い、病院に受診せずに放っておいていませんか?
高血圧があるだけでは症状は出ませんが、放置するうちに血管や心臓には着実にダメージが蓄積していきます。
高血圧の世界では非常に有名な久山町研究という研究があります。
上の表の様に血圧が140を超えると脳卒中の発症が2倍に増え、180を超えるとさらに倍増することが示されています。
他の研究では、収縮期血圧10mmHg、拡張期血圧5mmHg低下すると、脳卒中や心筋梗塞のリスクは、脳卒中で約40%(33%-48%)、心筋梗塞で約20%(17%-27%)減少することが示されています。(高血圧治療ガイドライン2014、日本高血圧学会編)
脳卒中や心筋梗塞は、今までの健康で幸せであった生活が一日にして終わりを迎えてしまう、非常に恐ろしい病気です。
脳卒中では一日にして半身麻痺で後遺症が残り、心筋梗塞では即命を絶たれる可能性があります。
今回の高血圧のページで、これだけは分かっていてほしいです。
高血圧は放置してはいけない病気なのです。
Happy Agingに私は様々な意味を込めます。
文字通りの『健康寿命の増進』だけでなく、ご自身の・そしてご家族の『Happy』のために、高血圧と診断されたら適切な医療機関に受診し、適切な医療を受けてほしいと切に願うのです。
高血圧の原因
高血圧の原因は大きく2つに分けられます。
1)本態性高血圧
一般的に「高血圧」という場合は本態性高血圧症を指すことが多く、高血圧患者さんの約90%が本態性高血圧です。高血圧の原因として明確な疾患がない場合にこの診断がなされます。塩分摂取過多、肥満、運動不足、ストレス、加齢、遺伝的な要因により発症するリスクが高まると考えられており、生活習慣の改善や降圧薬による治療が行われます。
2)2次性高血圧
はっきりした原因がある高血圧症は、二次性高血圧症と呼ばれ、腎実質性高血圧、腎血管性高血圧、内分泌性高血圧(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫など)、睡眠時無呼吸症候群、遺伝性高血圧、薬剤誘発性高血圧といったものが挙げられます。
高血圧の治療
1)治療目標
- 合併症のない75歳未満:130/80mmHg未満
- 75歳以上の高齢者:140/90mmHg未満
- 糖尿病,慢性腎臓病,冠動脈疾患,抗血栓服用中:130/80mmHg未満
2)非薬物療法
減塩を中心とした食事療法、運動、アルコール制限、肥満の改善などの生活習慣の修正、2次性高血圧の場合であれば原因の除去などが挙げられます。
正常高値高血圧患者さんや低リスクの高血圧患者さんなどは、薬物治療の前にまずは生活習慣の是正を図る必要があります。
3)薬物治療
- カルシウム拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)、アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、サイアザイド系利尿薬、ベータ遮断薬
などの薬剤があります。
基礎疾患の種類により使用する降圧薬に差があります。
健診などで高血圧が指摘されましたら、是非一度医療機関に受診されることをお勧めいたします。
当院の高血圧診療の流れ
1)初回外来
問診(患者様からの聞き取り)
普段の食生活や運動習慣、睡眠時間やストレスなどを聞き取ります。
診察
心臓や呼吸の音を聴診し、足の浮腫みや、2次性高血圧の原疾患(元となる疾患)に特徴的な所見がないかどうかを確認します。
もちろん血圧測定は必須で、診察室に入ってから少し問診をし、息が上がらなくなったところで行います。血圧測定中にお話しをするだけでも血圧が上がってしまう人もいるので、血圧測定中は会話をやめて血圧測定のみに集中します。
検査
①採血
高血圧の患者様は高脂血症や糖尿病、高尿酸血症(痛風の値)といった生活習慣病を合併している方が多くいらっしゃいますので、網羅的な採血を行います。
また、上述した2次性高血圧の原因として頻度の高い原発性アルドステロン症という病気のスクリーニングとして血漿アルドステロン濃度と血漿レニン活性という項目があります。
血圧を下げる薬を開始すると、この値の信ぴょう性が減ってしまいますので初回に採血を行っています。
②採尿
腎機能障害があると、尿たんぱくが検出されます。簡易検査で引っかけて、陽性である場合には精密検査に回します。
③心電図
高血圧があると既に心臓に負担がかかっている場合があります。
また高血圧の治療を行っても心筋梗塞を起こしてしまう患者様がいますが、もし生じた際でも初回と症状が起こった時の心電図を比較することで心筋梗塞の早期発見につながることもあります。
④胸部レントゲン
こちらも高血圧が心臓に負担をかけているかどうかを測定します。
急性心不全の際には心臓が大きくなり、胸に水が溜まったりします。
治療計画
①高血圧の重症度に応じて薬剤処方の有無を検討します。
②生活習慣の指導を行います。
③ご自宅での血圧測定を行っていただきます。
2)2回目の外来
問診
ご自宅での血圧の推移を確認します。
また、初回外来でお伝えした生活習慣の改善が進んでいるかを確認します。
検査結果の説明
初回外来での検査結果をご報告します。
治療計画
①本態性高血圧
高血圧の原因となる他の病気が見つからなければ、いわゆる高血圧として加療していく事になります。ご自宅での血圧がやはり高値であれば、お薬による治療の開始、お薬の調整を行います。
また、生活習慣の是正が難しければ、何が一番の問題であるかを考え、ご本人様にあった方法を一緒に考えさせていただきます。
②2次性高血圧
他に高血圧の原因となる病気が見つかった時には、その治療のために提携する高次医療機関(専門病院)へご紹介させて頂きます。
3)3回目以降
問診
ご自宅での血圧の推移を確認します。
また高血圧以外でお困りの点なども確認します。
治療計画
ご高齢の患者様、リスクの高い患者様に関しては1~1.5か月に一度、お若くてリスクの低い患者様に関しては最高2~3か月に一度の外来経過観察を行います。
患者様一人一人のニーズを大事にして診療を行ってまいりますのでご安心下さい。
4)定期検査
採血
お薬の副作用を確認する目的で半年~1年に1度採血を行います。
心電図・胸部レントゲン
1年に1度定期検査として行うことをお勧めします。
血管の超音波
高血圧による動脈硬化性病変が進行していないか、1~2年に一度定期検査を行います。
外来の予約
高血圧診療に関してお読み頂きありがとうございました。
高血圧は症状がなくても病院にかかるべき病気です。
健診で高血圧を指摘された方、高血圧で病院にかかっているが納得した治療ができていない方、是非当院にお越し下さい。