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大腸憩室

大腸憩室症とは?

大腸憩室とは、大腸の壁の脆弱な場所が、大腸の外側に向かって小さな袋状に突出したところです。便秘などの影響で腸内の圧が上昇したり、加齢に伴う影響で大腸の壁が脆弱になり圧に耐えられなくなると、腸の壁が外に押し出されて憩室ができると考えられています。
我が国の大腸憩室の有病率は約24%とされており、年齢とともに上昇します。
つまり大腸カメラを行うと4人に1人は大腸憩室を指摘されることになります。
では大腸憩室が見つかったら、治療が必要となるのでしょうか?
結論から申し上げると、憩室が見つかっても治療は必要ありません。
ただし、大腸憩室により大腸憩室炎大腸憩室出血を生じると治療が必要になります。

大腸憩室炎について

大腸憩室炎とは

上述の大腸憩室部分に便などが詰まり感染を起こした状態が憩室炎で、あまり知られていませんが腹痛の原因疾患としてはかなり上位に入る疾患です。

症状

憩室炎の症状としては、腹痛・発熱が挙げられます。腹痛の場所は憩室炎を起こす場所により異なり、上行結腸の場合には右腹部、S状結腸の場合には左下腹部から臍下部周辺に生じやすく、炎症が拡がったり腸が穿孔して腹膜炎を生じると腹部全体の激烈な痛みとなります。

検査

検査所見としては、採血での炎症反応(WBCやCRP)の上昇、CT検査での炎症部位の大腸壁肥厚や周囲の炎症所見で診断となります。
大腸カメラは通常急性期には行いません。憩室炎の急性期では大腸壁がもろくなっているため、急性期に大腸カメラを行うと腸管の穿孔など状態の増悪を招く恐れがあります。
CT所見では大腸がんとの鑑別が問題となることもあり、後述の治療により症状が落ち着いた後、大腸カメラを行うこともあります。

治療

腸管安静、抗生剤の投与が2本柱です。
腸管安静とは、炎症のある部分に食事をなるべく通さず、腸管を安静に保つことで炎症の鎮静を図る事を指します。
軽症の憩室炎であれば水分を中心に少量の低残渣食を摂取し、内服の抗生剤で炎症の鎮静化を図ります。
中等症から重症の憩室炎の場合は水分や低残渣食の負荷にも耐えられないため、入院のうえ禁食、点滴とし、点滴による抗生剤の加療を行います。
それでも改善がみられない場合や、当初から腸管穿孔・腹膜炎を生じている場合は手術が必要となる事もあります。

大腸憩室出血について

大腸憩室出血とは

大腸憩室の壁は薄く、憩室内を通っている血管が何等かの拍子に切れる事により、突然の大量出血を来すことがあります。このような出血を大腸憩室出血と呼び、血便を来す疾患の代表例と言えます。

症状

症状としては『痛みを伴わない突然の大量血便』が特徴的です。痛みを伴う場合には他の炎症性疾患を考慮します。

検査

検査所見としては、採血での貧血の進行、造影CTでの憩室から腸管内への造影剤の漏出がみられます。出血量が多いと命に関わることもあり、入院による管理が必要となるため、高次医療機関での治療が必要となります。

治療

憩室出血の治療は内視鏡的止血術が基本となります。しかし出血量が多い時には大腸の中は血液だらけとなり、出血源が同定できないことがあります。造影CT検査で出血点が同定できる場合には血管造影検査による責任血管の塞栓術が有効となります。

 

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