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台東区浅草のかわぐち内科・内視鏡クリニックの院長ブログ

院長ブログ
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大腸カメラはなぜ痛いの?

大腸がんやポリープの早期発見に欠かせない重要な大腸カメラ検査。「痛いのでは」「苦しいのでは」といった不安から、検査をためらってしまう方は少なくありません。特に、過去に辛い経験をされた方は、なかなか一歩を踏み出せないかもしれません。

ご安心ください。大腸カメラの痛みには、腸の伸展や空気注入など明確な原因があり、それを理解し適切な対策を講じることで、その苦痛は大きく軽減できる可能性があります。

この記事では、大腸カメラの痛みが生じるメカニズムと、熟練医の「軸保持短縮法」や鎮静剤、炭酸ガス送気装置といった最新技術、さらには検査前の準備によって、いかに快適に検査を受けられるかについて詳しく解説します。もう検査を怖がる必要はありません。安心して検査に臨み、大切なご自身の健康を守るための第一歩を踏み出しましょう。

目次

大腸カメラはなぜ痛い?主な原因と痛みを感じやすい人の特徴

大腸カメラ検査は、大腸がんやポリープの早期発見に欠かせない重要な検査です。しかし、「痛いのでは」「苦しいのでは」といった不安から、検査をためらってしまう方も少なくありません。特に、過去に辛い経験をされた方は、二の足を踏んでしまうこともあるでしょう。

大腸カメラの痛みは、その原因を知り、適切な対策を講じることで、大きく軽減できる可能性があります。検査に対する漠然とした恐怖を感じている方も、ぜひこの記事で痛みの原因と対策を理解し、安心して検査に臨むための第一歩を踏み出してください。

腸の伸展や空気注入が大腸カメラの主な痛みの原因

大腸カメラ検査で痛みが生じる主な原因は、内視鏡スコープが大腸の中を進む際に、腸が伸びたり引っ張られたりすることです。私たち医師が検査を進める際、細く長いスコープが腸の複雑なカーブを通過します。その過程で、腸壁に圧力がかかったり、腸が一時的に引き延ばされたりする感覚が、痛みや不快感として感じられます。

重要なのは、大腸の痛みを感じる神経は腸壁の内側ではなく、腸壁の外側に多く存在するという点です。このため、腸が空気で膨らんだり、内視鏡によって伸びたりする刺激が、ダイレクトに痛みとして伝わりやすいのです。まるで、ゴム風船を無理に引っ張られたり、急激に膨らまされたりするような感覚に近いかもしれません。

さらに、検査中に大腸の内部を隅々まで観察するためには、腸を広げて視野を確保する必要があります。この目的で、空気や二酸化炭素(炭酸ガス)を腸内に注入します。ガスが入ることでお腹が張るような圧迫感や、いわゆる「差し込み」のような痛みを覚えることがあります。これは、腸が急激に膨らむことで腸壁が伸展し、外側の痛みの神経が刺激されるためです。特に、空気が溜まりやすい腸の曲がり角などでは、この痛みが強く感じられることがあります。

腸の曲がり角や手術後の癒着部位での痛み

大腸は、直線的な臓器ではありません。S字結腸(S状結腸)や横行結腸など、いくつかの大きな「曲がり角」を持っています。これらの曲がり角は、内視鏡スコープがスムーズに進みにくい場所であり、通過する際に腸壁が引っ張られたり、無理な力がかかったりすることで痛みを感じやすくなります。特にS字結腸は、Sの字のように複雑にカーブしており、スクリューのようにひねられた状態になっていることも多いため、スコープが通過する際に最も強い痛みを伴いやすい部分の一つです。熟練した医師は、このような曲がり角で腸を「畳む」ように進める特別な手技を用いることで、腸の伸展を最小限に抑え、痛みを軽減しています。

また、過去に腹部の手術を受けた経験がある方は、腸が周囲の臓器や腹壁とくっついてしまう「癒着(ゆちゃく)」が生じている場合があります。例えば、以下のような手術を受けたことがある方は注意が必要です。

  • 帝王切開
  • 盲腸炎(虫垂炎)の手術
  • 子宮筋腫の手術
  • 卵巣嚢腫の手術

癒着があると、腸の動きが制限されて硬くなっているため、内視鏡スコープが通過する際に癒着部分が強く引っ張られることで痛みが引き起こされやすくなります。このようなケースでは、特に慎重な挿入技術が求められ、医師は細心の注意を払って検査を進めます。

便秘や体型(痩せ型・肥満)が痛みを感じやすくする理由

大腸カメラの痛みは、患者さんお一人おひとりの体の状態によって感じ方が大きく異なります。以下の特徴がある方は、痛みをより感じやすい傾向があります。

特徴 痛みを感じやすい理由 医師からの補足
便秘傾向 腸内に硬い便が残っていると、スコープが通りにくくなります。無理に進めると腸への刺激が増し、痛みを感じやすくなります。 検査前の徹底した便秘解消は、苦痛軽減のために最も重要です。下剤の服用方法をしっかり守りましょう。
痩せ型 腹腔内のスペースが比較的狭く、腸の固定が強いため、腸の曲がり角の屈曲が強くなりスムーズに超えにくくなります。 屈曲の強い腸管を丁寧に挿入していく必要があり、医師はより慎重な操作が求められます。
  お腹に脂肪が少ないため、外部からのスコープの圧迫感も感じやすい場合があります。 外から腸を押さえる「圧迫介助」が有効な場合もあります。
肥満型 腹腔内のスペースが広く腸の固定が緩いため、スコープの進行に伴って腸が伸びやすい傾向があります。 軸保持短縮法が不能な場合でも、適切な経路でループを描く事により、負担の軽減に繋がります。
腸が長い 個人差で腸が長い方は、スコープがより多くの曲がり角を通過する必要があります。 腸が長いと、伸びる部分も多くなるため痛みを感じやすくなります。熟練医による「軸保持短縮法」が特に有効です。

検査前の便秘解消や適切な食事管理は、患者さんご自身ができる、痛みを軽減するための大切な対策です。これらの準備をしっかり行うことで、検査はよりスムーズに、より快適に進む可能性が高まります。

検査後の腹部膨満感や不快感の原因

大腸カメラ検査後にも、お腹の不快感や張りが続くことがあります。これは、検査中に大腸の内部を正確に観察するために、腸を広げる目的で注入されたガスが、検査後も一時的に腸内に残ってしまうことが原因です。

空気や二酸化炭素は、検査をスムーズにするために不可欠ですが、これらが腸内に残ると、お腹がパンパンに張ったような「膨満感」や、ゴロゴロとした「不快感」として感じられます。特に空気の場合、体外に排出されるまでに時間がかかるため、数時間から半日程度、膨満感が続くことがあります。検査後もしばらくお腹が張って苦しいと感じる方もいらっしゃいます。

最近では、このような検査後の不快感を軽減するために、空気よりも体内に吸収されやすい二酸化炭素(炭酸ガス)を注入するクリニックが増えています。二酸化炭素は、空気と比較して約200倍の速さで体内に吸収されます。吸収された二酸化炭素は、呼吸によって速やかに体外へ排出されるため、検査後のお腹の張りが非常に少なく、快適に過ごせるというメリットがあります。

私たちが患者さんを診察する際も、二酸化炭素を使用した検査後は、「思っていたよりお腹が楽だった」という声を多くお聞きします。検査後に不快感を感じた場合は、体を横向きにしたり、軽く歩いたりするなど、体勢を変えてガスを出しやすくする工夫も有効です。当院では、患者さんの負担軽減のため、二酸化炭素の使用を標準としています。

大腸カメラの痛みを解消!軸保持短縮法と鎮静剤の活用

大腸カメラ検査は、大腸がんやポリープの早期発見に不可欠な検査です。しかし、「痛い」「苦しい」といったイメージから、検査を受けることをためらってしまう方も少なくありません。特に、過去に辛い経験をされた方は、次の検査への不安が大きいことと存じます。

ご安心ください。当院の検査は、技術の進歩と医師の工夫によって、以前に比べてはるかに苦痛が少なくなっています。適切な方法を選ぶことで、ほとんど痛みを感じずに検査を受けることができる場合も増えました。私たちは、患者さんの感じる苦痛を最小限に抑えることを最優先に考え、検査を行っています。

軸保持短縮法とは?痛みを大幅に軽減する熟練医の挿入技術

軸保持短縮法(じくほじたんしゅくほう)は、大腸カメラ検査の際に腸が伸びてしまうことを防ぐ高度な内視鏡挿入技術です。この技術により、患者さんが感じる痛みを大幅に軽減できます。

大腸カメラの痛みは、主に内視鏡スコープが大腸の壁を伸ばしたり、曲がり角を通過する際に腸が引っ張られたりすることで生じます。大腸の痛みを感じる神経は腸壁の外側に多く存在します。このため、腸が空気で膨らんだり、内視鏡で伸ばされたりする刺激が、直接痛みとして伝わりやすいのです。

軸保持短縮法の主な特長

  • 腸の伸展を抑える
    • 内視鏡スコープを腸の中で蛇行させず、短い直線状態を保ちながら挿入します。
    • 医師はスコープを奥へ進める際に、手前に引いたり回転させたりする操作を巧みに組み合わせます。
    • 腸のたるみを内視鏡にたぐり寄せるようにして進めます。
    • これにより、大腸が伸展(伸びる)するのを最小限に抑えます。
  • 痛みの軽減
    • このような操作により、腸にかかる不必要な圧迫感や、引っ張られる感覚が劇的に減少します。
  • 特に有効な方
    • 特に腸の曲がり角が多い方や、過去に腹部の手術経験があり腸に癒着(ゆちゃく:臓器同士がくっついてしまうこと)がある方にとって大きなメリットがあります。
    • 癒着があるとスコープが通過する際に腸が強く引っ張られやすいため、軸保持短縮法を用いることでその苦痛を和らげることが可能です。

この軸保持短縮法は、高度な技術と多くの経験を要する挿入法です。熟練した消化器内視鏡専門医によって行われることで、その効果を最大限に発揮します。

痛みの少ない大腸カメラを受けるためのクリニック選びと事前準備

大腸カメラ検査は、大腸がんやその前段階であるポリープを早期に発見し、治療するために非常に大切な検査です。しかし、「検査が痛いのではないか」「つらいのではないか」といった漠然とした不安から、検査をためらってしまう方も少なくありません。皆様のそうしたお気持ちはよく理解できます。

ご安心ください。現在の医療では、検査の苦痛を最小限に抑えるためのさまざまな工夫が導入されています。適切なクリニックを選び、事前にしっかりと準備をすることで、安心して検査を受けていただくことが可能です。私たちは、患者さんが快適に検査を受けられるよう、医師として最善を尽くしています。

熟練した専門医と充実した設備を持つクリニックの選び方

大腸カメラ検査における苦痛の感じ方は、内視鏡スコープを挿入する医師の技術に大きく左右されます。特に、大腸を無理に伸ばすことなく、短く「畳みながら」挿入していく技術は、痛みを大幅に減らすために非常に重要です。この高度な手技を習得している医師は、多くの検査経験を持つ消化器内視鏡専門医であることが多いです。

クリニックを選ぶ際には、以下の点を参考にしてみてください。

  • 専門医の有無
    • 日本消化器内視鏡学会の専門医資格を持つ医師が在籍しているかを確認しましょう。
    • 専門医は、解剖学的知識と多くの検査経験に基づいた、より安全で苦痛の少ない検査を行う技術を身につけています。
  • 検査実績の豊富さ
    • 大腸カメラの苦しさは、医師個人の技術差により驚くほど変わる可能性があります。当院では数多くの大腸カメラ検査並びに最先端の内視鏡治療に携わった院長が全例で検査を担当するのでご安心下さい。
  • 鎮静剤の使用
    • 当院では、患者さんが苦痛なく検査を終えられるよう、必要に応じて鎮静剤(眠くなるお薬)を使用しています。
    • 当院で使用する鎮静剤は他院で多く使用されるものと異なり、効果が極めて早く出て、覚めるのも早い薬剤を主に使用しています。
    • 検査直後に患者様からはよく『え、もう終わったの?』と言われる程効果があります。
    • 効果や副作用には個人差がありますので、熟練の医師が慎重に管理しながら薬剤を投与します。
  • 炭酸ガス送気装置の導入
    • 検査中に大腸を広げて観察するために空気を入れると、検査後に膨満感(お腹が張る感じ)や痛みを引き起こすことがあります。
    • 炭酸ガス(二酸化炭素)は、空気に比べて約200倍もの速さで体内に吸収され、呼吸によって排出されます。
    • このため、炭酸ガス送気装置を導入しているクリニックでは、検査後の不快感を大幅に軽減できます。
  • リカバリールームの有無
    • 鎮静剤を使用した後は、効果が切れるまでゆっくりと休む時間が必要です。
    • リカバリールームが完備されているクリニックでは、落ち着いた環境で安心して休むことができます。

痛みを減らすための検査前の食事管理と便秘解消法

大腸カメラの痛みを軽減するためには、患者さんご自身ができる大切な対策があります。それが、検査前の食事管理と便秘の解消です。腸の中がきれいであればあるほど、内視鏡スコープがスムーズに挿入でき、検査時間も短縮されるため、結果的に痛みの軽減につながります。

  • 検査前の食事管理
    • 検査の数日前から、消化に良く、腸に残りカス(残渣)が少ない食事を心がけましょう。
    • これは、検査を確実に行い、見落としを防ぐためにも非常に重要です。
    • 一般的には、クリニックから提供される検査食を利用するか、以下のような「低残渣食」を摂取します。
控えるべき食品 摂取しても良い食品
ごぼう、きのこ類、海藻類、こんにゃくなどの繊維質の多いもの 白米、うどん、食パン(耳なし)、豆腐、白身魚、鶏むね肉、卵などの消化が良いもの
種子の多い果物(イチゴ、キウイなど)、繊維質の多い野菜(葉物野菜) バナナ、リンゴ(皮なし)、じゃがいもなど(加熱したもの)
脂肪の多い肉、揚げ物、乳製品  
  • 十分な水分摂取
    • 検査前日は、脱水を避けるためにも、お茶や水などの透明な飲み物を多めに摂りましょう。
    • 水分は腸をきれいにする手助けにもなります。
  • 便秘の解消
    • 便秘気味の方は、あらかじめ主治医に相談し、検査前に便秘薬を服用するなどして、腸をきれいにしておくことが非常に重要です。
    • 便秘があると、腸内に硬い便が残ってしまい、スコープが通りにくくなります。
    • 無理に進めると腸への刺激が増し、痛みを感じやすくなる傾向があります。

大腸カメラの費用(鎮静剤を含む)と保険適用

大腸カメラ検査の費用は、保険が適用されるかどうか、また検査中にどのような処置が行われるかによって異なります。多くの場合、大腸カメラ検査は健康保険が適用されますので、過度なご心配はいりません。

保険適用となるケース

  • 以下のような症状がある場合や、医師が検査の必要性を認めた場合に保険が適用されます。
    • 腹痛、便潜血検査で陽性反応が出た場合
    • 便通異常(下痢や便秘の持続)
    • 血便、粘血便などの症状がある場合
    • 大腸がんの既往歴やご家族に大腸がんの方がいて、医師が必要と判断した場合
    • 以前に大腸ポリープを切除しており、定期的な検査が必要な場合
  • これらの場合、ご自身の自己負担割合(1割、2割、3割など)に応じた費用がかかります。

費用の内訳(目安)

  • 基本検査費用
    • 大腸カメラ検査自体にかかる料金です。
  • 鎮静剤費用
    • 鎮静剤を使用した場合、別途費用が発生することがあります。
    • 保険診療として認められることも多いですが、クリニックによって対応が異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
  • 組織検査費用
    • 検査中にポリープや病変が見つかり、がんや炎症の有無を調べるために組織を採取し、病理検査に出す場合に発生します。
  • ポリープ切除費用
    • ポリープが見つかり、その場で切除した場合にかかる費用です。
    • ポリープの数や大きさ、切除方法によって費用は変動します。

実際の費用については、検査の内容や行った処置によって変動しますので、必ず検査を受けるクリニックに事前に確認するようにしましょう。

検査に伴うリスクや合併症:穿孔・出血のリスクと対策

大腸カメラ検査は非常に安全性の高い検査です。しかし、どのような医療行為にもごく稀に合併症が起こる可能性はゼロではありません。患者さんの不安を軽減するためにも、リスクについて正しく理解し、その対策を知っておくことが大切です。

主な合併症とその原因

  • 穿孔(せんこう)
    • 大腸の壁に穴が開いてしまうことです。非常に稀に起こる合併症で、緊急手術が必要となる場合もあります。
    • これは、スコープ操作時に腸壁に過度な力が加わったり、腸の病変部が脆弱になっている場合に発生し得ます。
  • 出血
    • ポリープを切除した後などに、出血が起こることがあります。
    • 多くの場合、出血は自然に止まりますが、場合によっては止血処置が必要となることもあります。
    • 血液をサラサラにする薬を服用している方は、出血のリスクが高まることがあります。
  • 薬剤によるアレルギー反応
    • 鎮静剤や検査前の下剤など、使用する薬剤に対してアレルギー反応を起こすことがあります。
    • 事前にアレルギー歴を確認し、慎重に薬剤を選択しています。

発生頻度

  • 穿孔は、一般的に1万件の検査に対して数件程度とされています。
  • 出血は、ポリープ切除を行った場合に数百件に1件程度の発生頻度と報告されています。
  • これらの合併症は非常に低い頻度ですが、リスクがゼロではないことをご理解いただく必要があります。

医療機関での対策

  • 熟練した医師による検査
    • 経験豊富な消化器内視鏡専門医が細心の注意を払って検査を行うことで、合併症のリスクは最小限に抑えられます。
  • 最新の機器の導入
    • 柔軟性の高いスコープや、患者さんの負担を軽減する炭酸ガス送気装置など、安全性を高めるための機器を積極的に導入しています。
  • 緊急時の対応体制
    • 万が一合併症が起こった場合でも、迅速に対応できるよう、緊急処置に必要な医療機器の準備や、提携病院との連携体制を整えています。

患者さんにお願いすること

  • 持病(高血圧、心臓病、糖尿病など)や、現在服用中の薬(特に血液をサラサラにする薬、インスリン注射など)がある場合は、必ず事前に医師に正確に伝えるようにしてください。
  • これにより、合併症のリスクをさらに低減し、安全に検査を受けていただくことができます。

検査を避けるべきでない理由:早期発見の重要性

「痛み」や「大変さ」を理由に大腸カメラ検査をためらってしまうお気持ちは、非常によく分かります。しかし、大腸がんは、早期に発見し適切な治療を開始すれば、ほぼ100%近くが治癒する可能性のある病気です。検査を避けてしまうことで病気の発見が遅れてしまうことのほうが、はるかに大きなリスクとなります。

  • 大腸がんの早期発見・早期治療
    • 大腸がんは、早期の段階ではほとんど自覚症状がありません。
    • 症状が出てから見つかった場合、病気が進行している可能性が高く、治療もより複雑で困難になることがあります。
    • 定期的な大腸カメラ検査によって、症状が出る前の段階でがんやその前段階であるポリープを発見し、切除することが可能です。
  • ポリープ切除の意義
    • 大腸がんの多くは、腺腫(せんしゅ)と呼ばれる良性のポリープが、時間をかけてがんへと変化していくことで発生します。
    • 検査中にポリープが見つかった場合、その場で切除することで、将来のがん化を未然に防ぐことができます。
    • これは「がんの予防」に直結する非常に重要な処置であり、内視鏡治療で完結することがほとんどです。
  • 健康寿命の延伸
    • 定期的な検査は、病気の早期発見と早期治療を通じて、皆様が健康で活動的な生活を送れる期間を長くする「健康寿命」の延伸に大きく貢献します。
    • 大切なご自身の体のため、そしてご家族のためにも、勇気を出して検査を受けることが、未来への投資となります。
  • 症状がなくても検査を
    • 大腸がん検診で便潜血検査が陽性になった方はもちろん、以下のような方は症状がなくても一度検査を受けることを強くお勧めします。
      • ご家族に大腸がんの既往歴がある方
      • 高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病をお持ちの方
      • 喫煙習慣のある方
      • 40歳を過ぎたら、ぜひ一度ご自身の腸の中をチェックしてみてください。

検査への不安を乗り越え、ご自身の健康を守るために、ぜひ大腸カメラ検査をご検討ください。私たちは、皆様が安心して検査を受けられるよう、全力でサポートいたします。

大腸カメラの痛みに関するQ&A

Q1: 大腸カメラ検査は本当に痛いのでしょうか?

大腸カメラ検査に対して「痛い」「苦しい」といったイメージをお持ちの方は少なくありません。しかし、現在の医療では痛みや不快感を大きく軽減することが可能です。私たち医師は、患者さんの苦痛を最小限にするための様々な工夫を取り入れています。

大腸カメラの主な痛みは、内視鏡スコープが大腸の中を進む際に、腸が伸びたり引っ張られたりすることで生じます。大腸の痛みを感じる神経は腸壁の内側ではなく、腸壁の外側に多く存在するため、この伸展(伸びる動き)が直接痛みとして伝わりやすいのです。また、観察のために腸内に空気や二酸化炭素を注入すると、お腹の張りや圧迫感を感じることもあります。しかし、激しい痛みで検査が中断になることは稀ですので、過度なご心配は不要です。

Q2: 大腸カメラの痛みを軽減するためには、どのような方法がありますか?

大腸カメラの苦痛を軽減するには、主に次の3つの要素が重要です。これらは、適切な対処で痛みを大部分軽減できる根拠ともなります。

  • 熟練した内視鏡専門医の技術
    • 「軸保持短縮法(じくほじたんしゅくほう)」という、腸を引っ張らずに短く縮めながら挿入する高度な技術を持つ医師を選ぶことが大切です。
    • この技術は、腸にかかる不必要な負担を大幅に減らし、痛みを軽減します。
    • また、大腸内に水を少量注入して進める「水浸法(すいしんほう)」も、腸の伸展を抑え、痛みの軽減に役立ちます。
  • 鎮静剤(眠くなるお薬)の活用
    • 多くのクリニックでは、ウトウトと眠っている間に検査が終わるように、鎮静剤を使用します。
    • 患者さんは検査中の痛みや不安をほとんど感じることなく、快適に検査を受けることができます。
    • 鎮静剤の種類や量を、患者さんの状態に合わせて慎重に調整します。
  • 最新の内視鏡設備と技術
    • しなやかで操作性の良い最新の内視鏡スコープを使用することで、医師はよりスムーズに挿入できます。
    • 炭酸ガス(二酸化炭素)送気装置を導入しているクリニックもあります。
      • 炭酸ガスは空気に比べて約200倍も早く体内に吸収されます。
      • 検査後のお腹の張りを大幅に軽減し、より快適に過ごせます。
    • AI機能を搭載した内視鏡システムは、病変の見落としを防ぎ、検査の質を高める助けとなります。

Q3: 検査中に痛みを感じた場合、どうすれば良いですか?

もし検査中に痛みや不快感を感じたら、我慢せずにすぐに医師や看護師に伝えてください。私たち医療スタッフは、患者さんの声に耳を傾け、すぐに状況に応じた対応をいたします。

例えば、

  • 内視鏡の操作方法を微調整する
    • スコープの進め方を変えることで、腸への刺激を和らげます。
  • 患者さんの体の向きを変える
    • 体位を調整することで、スコープが腸のカーブを通過しやすくなることがあります。
  • 鎮静剤を追加する
    • 必要に応じて、鎮静剤の量を調整し、リラックスできるようサポートします。

万が一、痛みが強く我慢できない場合は、検査を中断することも可能ですのでご安心ください。患者さんの安全と苦痛の軽減を最優先に進めてまいります。

Q4: 痛みを感じやすい人に、何か特徴はありますか?

はい、個人差はありますが、以下のような特徴を持つ方は、大腸カメラ検査で痛みを感じやすい傾向があります。

特徴 痛みを感じやすい理由 医師からの補足
便秘傾向 腸内に硬い便が残っていると、スコープの通り道が狭くなり、無理な力がかかりやすくなります。 検査前の徹底した便秘解消は、苦痛軽減のために非常に重要です。
痩せ型の方 腹腔内のスペースが比較的広く、腸の固定が緩やかなため、スコープの進行に伴い腸が伸びやすい傾向があります。 腸が自由に動きやすい分、スコープが腸壁を引っ張りやすくなります。
肥満型の方 内臓脂肪が多いと、腸が圧迫されて複雑にねじれやすくなることがあります。 ねじれた腸はスコープの挿入を難しくし、腸への負担が増して痛みを感じやすくなります。
腸が長い方 個人差で大腸が長い方は、スコープが通過する曲がり角が多くなり、腸が伸びる部分も多くなるため痛みを感じやすいです。 このような方には「軸保持短縮法」が特に有効です。
腹部の手術歴がある方 過去に腹部の手術(帝王切開、盲腸炎、子宮筋腫など)を受けたことがあると、腸が周囲と「癒着(ゆちゃく)」している場合があります。 癒着があると腸の動きが制限され、スコープが通過する際に引っ張られやすくなります。必ず事前に医師に伝えてください。
不安や緊張が強い方 精神的な緊張は、体の筋肉を硬くし、痛みを強く感じさせる要因となることがあります。 リラックスして検査に臨めるよう、鎮静剤の使用や丁寧な説明でサポートします。

Q5: 痛みの少ない大腸カメラを受けるためには、どのようなクリニックを選べば良いですか?

痛みの少ない大腸カメラ検査を受けるためには、クリニック選びが非常に重要です。以下のポイントを参考に、ご自身に合ったクリニックを選びましょう。

  • 消化器内視鏡専門医が在籍しているか
    • 日本消化器内視鏡学会の専門医資格を持つ医師は、多くの経験と高度な技術を習得しています。
    • このような医師による検査は、安全性が高く、苦痛も少ない傾向にあります。
  • 高度な挿入技術(軸保持短縮法など)に対応しているか
    • 腸を無理に伸ばさずに挿入する技術を持つ医師がいるかを確認しましょう。
    • 「水浸法」のような、患者さんの負担を軽減する工夫を取り入れているかもポイントです。
  • 鎮静剤の選択肢と安全性への配慮
    • 鎮静剤の使用が可能か、またその際の麻酔専門医や常勤の看護師による管理体制が整っているかを確認しましょう。
    • 検査後のリカバリールームの有無も、安心して休むために重要です。
  • 最新の内視鏡設備と炭酸ガス送気装置の導入
    • 高解像度の最新スコープや、検査後のお腹の張りを軽減する炭酸ガス送気装置を導入しているクリニックを選びましょう。
    • AI機能を搭載した内視鏡システムも、病変の見落としを防ぎ、検査の質を高めます。
  • 検査前の丁寧な説明とサポート体制
    • 患者さんの不安に寄り添い、検査のメリット・デメリット、リスク、費用などについて、分かりやすく丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。
    • 検査前の食事指導や下剤の服用方法についても、きめ細やかな指導があるか確認してください。

まとめ

大腸カメラ検査は「痛いのでは」と不安に感じる方も少なくないでしょう。しかし、今の医療では痛みの原因が解明され、その対策も大きく進んでいます。腸に優しい「軸保持短縮法」といった専門医の高度な技術、ウトウト眠れる鎮静剤、検査後のお腹の張りを抑える炭酸ガスの使用など、患者さんの負担を最小限にする工夫がたくさんあります。

大切なのは、経験豊富な消化器内視鏡専門医がいて、最新設備を導入しているクリニックを選ぶこと、そして事前の食事管理と便秘解消をしっかり行うことです。大腸がんは早期発見でほぼ100%近く治癒する病気です。痛みへの不安より、ご自身の健康を守ることが何よりも大切。どうぞ怖がらずに、信頼できるクリニックでぜひ一度、検査を受けてみてくださいね。

参考文献

  • どのくらい痛い?大腸カメラの痛みガイドライン
  • 大腸内視鏡は激痛で中止になりやすい?痛みが起こる原因を詳しく解説!
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16:0018:00