内視鏡検査後の過ごし方や食事について
内視鏡検査後には様々な規制があり、どのように過ごせば良いか不安になる方もいらっしゃると思います。
このページでは、内視鏡検査後の注意事項について記載をさせて頂きます。
【監修者】
かわぐち内科・内視鏡クリニック
川口 佑輔
- 2010年北里大学医学部卒業
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
- 日本肝臓病学会専門医
胃カメラの場合
検査終了後1時間は喉の麻酔の影響が残ります。
検査後1時間は、飲水・食事は禁止となります。(喉の麻酔が残った状態でものを飲み込む事により、誤嚥のリスクが高まります。)
1時間以降は、飲水・食事に制限はありません。
運動やアルコール・たばこ・コーヒーにも制限はありません。
鎮静剤を使用した場合
鎮静剤の効果は数時間残存します。
検査当日は車の運転や自転車の運転はお控え下さい。
また検査後の仕事に関しましては、当院では禁止はしておりません。しかし、集中力を欠きミスの可能性が増える事は十分にご理解をお願い致します。
大腸カメラの場合
ポリープ切除なし
ポリープを切除しなかった場合、特に規制はありません。
帰宅後すぐに飲水や食事の摂取が可能です。
ポリープ切除あり
ポリープを切除した場合、切除部位から出血を来す恐れがあります。
同意書にも記載をしておりますが、約500人に1人の確率で出血を来し、場合によっては止血のために再度大腸カメラが必要となることもあります。
その確率を少しでも減らすために、また出血を来したとしてもリスクを減らすために次の事を守って頂く必要があります。
- 2日間旅行・出張やアルコール摂取、過度の運動を控えて頂きます。
- 2日間は柔らかい、消化に良い食事を摂取して頂きます。
旅行・出張を控える理由としては、万が一出血を来した際に、適切な手当が行いにくくなるためです。
アルコール摂取や過度の運動は、血流が増え、出血を来しやすくなるため控えて頂きます。
鎮静剤を使用した場合
胃カメラの場合と同様に、鎮静剤の効果は数時間残存します。
検査当日は車の運転や自転車の運転はお控え下さい。
また検査後の仕事に関しましては、当院では禁止はしておりません。しかし、集中力を欠きミスの可能性が増える事は十分にご理解をお願い致します。
内視鏡検査後の不調について
喉の痛みや喉のいがいが感
胃カメラの場合、喉を通る時のスコープの接触、胃カメラ施行時の嘔吐反射などにより喉が傷付き、喉の痛みやいがいが感が残ることがあります。
ただし、大抵の場合長くて翌日頃まだであり、自然に改善する事がほとんどですので、ご安心下さい。
腹痛
胃カメラでは嘔吐反射で胃に負担がかかったり、大腸カメラでは腸管洗浄剤による負荷やスコープを奥に進める際の抵抗などにより、検査中のみならず検査後も腹痛が残存することもあります。
基本的にこのような疼痛は1〜2日で改善することがほとんどです。
ただし、2日以上経っても治らない疼痛や、疼痛が激しい場合には、内視鏡検査で何らかの合併症を起こした可能性も考えられますので、早めに医療機関にご連絡下さい。
お腹が張る(ガスによる膨満感)・便が出ない
胃カメラ•大腸カメラ共に、空気(大腸カメラの場合はCO2という吸収が早い気体を使用しています)を入れる事で、胃や腸管を膨らませ襞と襞の間まで見逃しの少ない検査を行います。
その空気が残る事により、検査後にお腹が張るような症状が残る事があります。
しかし、検査中に入れた空気もやがては吸収され無くなりますのでご安心下さい。
また、大腸カメラ後には便が数日出ないという方がいます。
大腸カメラでは前処置として腸管洗浄剤を飲み腸の中を空っぽにします。その為検査後に便が数日出ないのはよくある症状の一つですのでご安心下さい。
吐き気
胃カメラ・大腸カメラでは腸に様々な負担がかかる事があります。
・上述の『お腹が張る』に通ずるのですが、検査中には胃や腸管内に空気を挿入するため、腸管に多少なりとも負担がかかります。
・大腸カメラでは検査前の腸管洗浄剤が検査後も腸管内に残存しています。
・大腸カメラの場合、腸の形によっては大腸に負担をかけながら奥に進むことになるため、腸に負担がかかります。
これらの負担が検査後に吐き気という症状となって現れる事があります。
ただし、ほとんどの場合この症状も時間の経過と共に改善し、翌日以降残存する事はほとんどありません。
だるさ
『だるさ』内視鏡検査の際に生じうる多くの胃・大腸にかかる負担によるものと思われます。
こちらの症状も1日 長くとも数日で改善する事がほとんどです。
血便
大腸カメラでポリープを切除した場合、約500人に1人ほどの確率でポリープ切除後出血が見られます。
具体的な症状は、下痢前のような感覚でトイレに行き排便しようとすると、便器が赤く染まる様な血便が見られます。
出血量にもよりますが、止血のために再度大腸カメラを行う必要があったり、入院による経過観察が必要となる事もあります。
大腸カメラ後に血便が出た場合には、検査を行った医療機関にお問い合わせ下さい。
内視鏡検査後の薬の内服について
検査前に抗凝固薬や糖尿病薬を一時的に中止して頂くことがあります。
検査後は当日、又は翌日よりほとんどの患者様で、薬剤を再開して頂きます。
内視鏡検査後の過ごし方に関するよくあるご質問
Q:大腸カメラでポリープを切除した後、アルコール摂取は本当にダメですか?
アルコール摂取により、ポリープ切除後出血のリスクは確実に上がります。
ポリープ切除後出血を来すと再度大腸カメラ検査が必要になり、場合により数日間の入院が必要となる事もあります。
ポリープを切除した後は、アルコール摂取は必ず控えて下さい。
Q:大腸ポリープを切除した後に出血した場合、どのような症状になりますか?
出血量にもよりますが、出血量が多いと、最初は下痢に行きたいような感覚となり、排便すると便器一面に血液が付着します。
このような症状が現れた場合には、すぐに当院にご連絡下さい。
なお、少量の出血は、ポリープを切除した際の残りと考えられますので、ご自宅で様子を見る事が可能です。
Q:鎮静剤使用後、仕事はして良いですか?
構いませんが、鎮静剤の効果は数時間残存するため、集中力を欠く恐れがあります。
可能であれば、お仕事はお休みとする方が安全性は高いと考えます。
Q:大腸ポリープ切除した場合、翌日以降仕事は行って良いですか?
翌日以降、お仕事は全く問題ありません。
ただし、重い物を持つなどの仕事の際には、最低2日間は控える必要があります。
検査前に予め仕事の調整を行う事をお勧めします。
当院では、麻酔薬を使った苦痛の少ない内視鏡検査を行っています。内視鏡専門医である院長が責任を持って担当し、大腸ポリープがあれば当日切除も可能です。
検査の説明を聞いてから大腸カメラを受けたい方は【外来Web予約】へお進みください。
先に検査日を決めたい方は【大腸カメラWeb予約】へお進みください。