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台東区浅草のかわぐち内科・内視鏡クリニックの院長ブログ

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大腸がんの予防法6選|取り入れたい食事内容やコーヒーの有効性も解説

大腸がん 予防

「大腸がんを予防するためには何に気を付ければ良い?」
「食事では避けたほうがよいものと取り入れたいものは?」

大腸がんは2021年の時点では、男性と女性とともにがんの種類のなかで2番目に多いです。予防するためには、肉中心の食生活や運動不足、過度な飲酒などの生活習慣の改善が必要です。本記事では、大腸がんに関する以下のことを解説します。

  • 予防法6選
  • 予防のために取り入れたい食事内容
  • 予防におけるコーヒーの有効性

「どれくらいの予防効果があるか」など、一部数値を用いて解説しています。具体的な予防効果を知りたい方は参考にしてください。

大腸がんの初期症状の詳細を知りたい方は「初期症状はない?大腸がんと気づいた7つのきっかけを症状別で解説」を参考にしましょう。

大腸がんの予防法6選

大腸がんの予防法6選は以下の通りです。

  • 定期的にがん検診を受ける
  • 赤身肉や加工肉を取り過ぎない
  • 禁煙をする
  • 節酒をする
  • 運動不足を解消する
  • 肥満を予防する

それぞれの詳細を解説します。

1.定期的にがん検診を受ける

大腸がんの予防に努めることも大切ですが、早期発見のために定期的に検診を受けることを推奨します。大腸がんは初期段階では症状が現れにくく、気づかず進行している場合があるためです。厚生労働省は、40歳以上の人は、年に1回の大腸がん検診(便潜血検査および問診)を受けることを推奨しています。

また、大腸がんの予防において定期的に大腸カメラ検査を受けることも重要です。大腸カメラ検査では、がん化のリスクがあるポリープを発見できるためです。状態によってはポリープをその場で除去できる場合があります。

なお、血便や下痢、便秘、細い便、腹痛などの大腸がんが疑われる症状が現れている場合は、ある程度がんが進行している恐れがあります。これらの症状が現れている方は、速やかに検査を受けたほうが良いでしょう。

大腸カメラ事前診察

 

関連記事:大腸カメラ(内視鏡検査)が痛い人の3つの特徴|痛みを軽減する方法も!

2.赤身肉や加工肉を取り過ぎない

以下のような肉類中心の食生活の方は大腸がんの発症リスクが上がります。

  • 赤身肉
  • 脂肪の多い肉
  • 加工肉(ハム、ソーセージなど)

実際に肉の消費量が多い米国人は大腸がんの発症率が高く、一方で菜食主義者は発症率が低いと報告もあります。大腸がんの発症リスクを高めないためには、赤身肉等の食べ過ぎを控えたほうがよいでしょう。

3.禁煙をする

喫煙は多くのがんのリスク要因であり、大腸がんも例外ではありません。日本消化器病学会雑誌の大腸癌の予防を参考にすると、喫煙は大腸がんの発症率を1.18倍高めると報告があります。

禁煙するのはもちろん、受動喫煙も避けるようにしましょう。タバコが辞められない方は、禁煙外来などを受診する選択肢もあります。要件を満たせば、保険診療で禁煙補助薬を用いた禁煙プログラムを受けることも可能です。気になる方は、禁煙外来がある医療機関を探してみましょう。

出典:日本消化器病学会雑誌「大腸癌の予防」

4.節酒をする

節酒は大腸がんの予防において大切です。実際に厚生労働省の健康に配慮した飲酒に関するガイドラインを参考にすると、男性と女性ともに純アルコール量が1日20gを超える方は、大腸がんの発生リスクが高くなると記載があります。

厚生労働省が適量としている飲酒量は、純アルコール量1日約20gです。女性の場合は男性の1/2〜2/3ほどが適量とされています。大腸がんの発症率を高めないためにも、以下の表を参考にして節度ある飲酒生活を心がけてください。

お酒の種類 ビール 清酒 ウイスキー・
ブランデー
焼酎 ワイン
飲量 中瓶1本(500ml)

1合(180ml)

ダブル(60ml) 1合(180ml) 1杯(120ml)
アルコール度数 5% 15% 43% 35% 12%
純アルコール量 20g 22g 20g 50g 12g

出典:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」
出典:厚生労働省 「健康日本21(アルコール)」

5.運動不足を解消する

定期的な運動は大腸がんの予防に効果的です。運動不足が大腸がんの発症リスクを高める理由は以下の通りです。

  1. 運動不足は腸管の動きを低下させて便通を悪くする
  2. 便通が悪くなると腸管内で便が留まる時間が長くなる
  3. 腸管内で便が長く留まると、便から発生する発がん物質にさらされる時間も長くなる
  4. 結果、大腸がんを発症するリスクが高くなる

実際に日本消化器病学会雑誌の大腸癌の予防を参考にすると、適度な運動を継続することは、男性では0.78倍、女性では0.71倍大腸がんの発症リスクを低下させると報告があります。ウォーキングやジョギングなど、体を動かす習慣を取り入れましょう。

出典:日本消化器病学会雑誌「大腸癌の予防」

6.肥満を予防する

肥満の予防は大腸がんの予防にもつながります。実際に日本消化器病学会雑誌の大腸癌の予防によると、BMI(肥満指数)が30以上のグループは25以下のグループと比較すると、男性で1.41倍、女性で1.08倍大腸がんの発症リスクが高いと報告があります。

BMIの計算方法は「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」です。バランスの取れた食事と運動を組み合わせて、健康的な体重を保ちましょう。

出典:日本消化器病学会雑誌「大腸癌の予防」

大腸がん予防のために取り入れたい食事内容

大腸がん予防のために取り入れたい食事内容には、以下のようなものがあります。

  • 食物繊維が豊富な野菜や果物
  • カルシウムやビタミンDが豊富な食品

それぞれの詳細を解説します。

食物繊維が豊富な野菜や果物

食物繊維が豊富な野菜や果物の摂取は、大腸がんの予防に有効とされています。食物繊維による大腸がんの予防効果は以下の通りです。

  • 二次胆汁酸(にじたんじゅうさん)という大腸がんリスクを高める物質の産生を抑制する
  • 便通改善により便が腸管内に留まる時間が短くなるため、便による発がん物質が少なくなる

大腸がんを予防するために、食物線維が豊富な野菜や果物、穀類、豆類などをバランス良く食べるようにしましょう。

カルシウムやビタミンDが豊富な食品

牛乳やカルシウムは大腸がんの予防に有効とされています。実際に日本消化器病学会雑誌の大腸癌の予防によると、牛乳を毎日250g以上飲んでいたグループは、大腸がんの発症リスクが0.86倍に低下したと報告がありました。さらなる研究が必要な段階ですが、ビタミンDも大腸がんのリスクを低下させる可能性があると報告があります。

出典:日本消化器病学会雑誌「大腸癌の予防」

大腸がん予防におけるコーヒーの有効性

コーヒーには、大腸がんを予防する効果がある可能性があります。実際にコーヒーを1日3杯以上飲むグループでは、直腸がんのリスクが低下したと報告があります。

コーヒーに加えて、前章でも解説した牛乳やカルシウム、ビタミンDなどの予防効果の研究は、決定的なものではありません。どのようにして、大腸がんが予防されるのかも明確にはなっていません。コーヒーによるカフェインの摂り過ぎも、体にとって良くないため日常的に楽しむ程度にしましょう。

大腸がん予防のために生活習慣を改善しつつ定期検診も受けよう

大腸がんを予防するには、肉中心の食生活は控えて食物繊維が豊富な野菜や穀類などをバランス良く食べることが大切です。また運動不足を解消して肥満予防をすることも重要です。禁煙はもちろん節酒にも努めましょう。

当院は、日本消化器内視鏡学会に認定された消化器内視鏡専門医の資格を有している院長が、すべての検査を担当します。また、基幹病院にて高度な内視鏡治療に携わってきたため、麻酔コントロールにも精通しています。

土曜日や午前中の検査、術中ポリープ切除なども柔軟に対応可能です。便潜血検査で陽性結果が出た方や、血便、便秘、下痢など気になる症状がある方は、まずは事前診察を受けてみましょう。

大腸カメラ事前診察

 

【監修者】

 

【参考文献】

国立がん研究センター中央病院「大腸がんとは」
日本消化器病学会雑誌「大腸癌の予防」
がん対策研究所「大腸がんのリスクファクター」
がん対策研究所「ビタミンDの食事摂取とビタミンD受容体発現量で細分類された大腸がん罹患リスクとの関連について」

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