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台東区浅草のかわぐち内科・内視鏡クリニックの院長ブログ

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【大腸がんはどこが痛む?】痛みの特徴や場所を詳細に解説

「大腸がんになると、どこがどのように痛むの?」
「痛み以外に注意すべき症状はある?」

原因不明の腹痛が続くと、がんなどの何らかの病気ではないかと不安になるでしょう。大腸がんの痛みにはいくつかの種類があり、がんができる部分や進行状況によって特徴が異なります。本記事では、大腸がんの痛みの場所と特徴をはじめとして以下を解説します。

  • 大腸がんの検査方法
  • 大腸がんの痛みと間違えやすい病気
  • 痛み以外で注意すべき症状

大腸がんの痛みの具体的な特徴や、痛み以外に注意すべき症状を解説しているため、気になる症状が現れている方は参考にしてください。

大腸がんの初期症状や気づいたきっかけについて知りたい方は「初期症状はない?大腸がんと気づいた7つのきっかけを症状別で解説」を参考にしましょう。

大腸がんによる痛みの場所と特徴

大腸がんの痛みには、以下のような種類があります。

痛みの種類 発生する理由
腹痛 腸の通りが妨げられて生じる
肛門部痛 がんが肛門に近い場合に生じる
腰痛・背部痛・臀部痛・下肢痛 がんが腸の外に進行していると現れる

それぞれの詳細を解説します。

1.腹痛|腸の通りが妨げられて生じる

そもそも大腸がんの腹痛は、がん自体から発生するわけではありません。大腸がんにより腸の通りが妨げられることで腹痛が生じます。

大腸がんの腹痛が持続することは少ないです。腸の蠕動運動に伴って、以下のような特徴の腹痛が現れます。

  • 痛みが現れては治まるを繰り返す
  • 波のある痛みが現れる

腹痛が現れているということは、腸の内側が狭くなり始めているということです。腹痛の他に吐き気や嘔吐、便秘などの症状が現れている場合は、腸閉塞(ちょうへいそく)が疑われるため速やかに医療機関を受診してください。

2.肛門部痛|がんが肛門に近い場合に生じる

がんのある場所が肛門に近い場合は、肛門付近に痛みを感じる肛門部痛が現れます。肛門手前の直腸にがんができると、赤色の血便や細い便、残便感(ざんべんかん:便意があるのに出し切れないすっきりしない状態)などの症状が現れやすいです。肛門辺りの痛みと、これらの症状が現れている方は直腸がんの疑いがあります。

3.腰痛・背部痛・臀部痛・下肢痛|がんが腸の外に進行していると現れる

がんが腸の外に広がっている場合は、以下のようなさまざまな痛みが現れます。

痛みの種類 痛みの場所
腰痛 腰付近に現れる痛みや張り
背部痛 背中の痛み
臀部痛 お尻辺りの痛み
下肢痛 股関節辺りから足先までの痛み

上記の痛みは、大腸以外の他の臓器や神経にがんが広がっているために現れます。痛みの現れ方はがんの進行具合によってさまざまです。

これらの痛みが現れている場合は、がんの進行度が早期の段階を超えている恐れがあります。心当たりのある症状が現れている方は、医療機関を受診してください。

大腸がんの検査方法

大腸がんを発見するための主な検査方法は以下の通りです。

  1. 便潜血検査
  2. 大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

それぞれの詳細を解説します。

1.便潜血検査

便潜血検査とは、消化管のどこかに出血が起きていないかを確認する検査です。便に血液が混じっていないかを調べることで出血の有無を確認できます。自覚症状のない大腸がんを発見するために有効です。

便潜血検査が陽性の場合は、大腸がんだけでなく以下のような病気が隠れている恐れがあります。

  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 虚血性腸炎
  • 痔核

便潜血検査が陽性であった場合は、大腸がん以外の病気を発見するためにも、大腸内視鏡検査を受けることを推奨します。

2.大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査とは、先端にカメラが付いた管状の内視鏡を肛門から挿入して腸内部を調べる検査です。大腸がんを疑う病変を発見した場合は、一部を採取して病理検査にて確定診断します。

がんが大腸の表面に留まっていれば、内視鏡で取り除くことも可能です。当院では、鎮静剤を利用した痛みの少ない大腸内視鏡検査を提供しています。気になる症状がある方は、まずは事前診察を受けてみましょう。

大腸カメラ事前診察

関連記事:大腸カメラ(内視鏡検査)が痛い人の3つの特徴|痛みを軽減する方法も!

大腸がんの痛みと間違えやすい病気

大腸がんの痛みと間違えやすい主な病気は以下の通りです。

  1. 痔核
  2. 過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)
  3. 憩室炎(けいしつえん)

それぞれの詳細を解説します。

1.痔核

痔核とは、肛門部分にいぼ状の腫れができる病気。痔核が肛門の外側にできると痛みを生じることがあります。肛門部痛や血便を痔核によるものと思い込み、がんが見逃されるケースも。

痔核からの出血で、便潜血検査の結果が陽性になることがあります。明らかに痔核からの出血であると想定できても、精密検査を受けないのは推奨できません。

前述した通り陽性反応は、大腸がんを含めてさまざまな病気が考えられます。痔核の出血に関係なく便潜血検査で陽性が出た際は、精密検査を受けることを推奨します。

2.過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は、消化管粘膜に問題がないにもかかわらず、本来あるはずの大腸の機能が損なわれる病気の総称です。過敏性腸症候群を発症する原因は明らかになっていません。ストレスや食生活などが関係していると考えられています。

現れる主な症状は以下の通りです。

  • 便秘
  • 下痢
  • 腹痛
  • 腹部の不快感

生命に影響のない病気で、多くの場合は薬物療法で改善できます。慢性的な便秘や下痢により日常生活に影響を与えるため、放置しないで治療を推奨します。

3.憩室炎

憩室(けいしつ)とは、大腸や小腸、胃などの消化器の壁の一部が突出して袋状になった状態をいいます。最も頻度が多いのは大腸憩室症です。

便秘などにより大腸の内圧のバランスが崩れて、腸の内側の一部が外に膨らんでしまい発症します。憩室部分に便が溜まってしまうと、細菌が増殖して炎症が起き憩室炎を発症します。憩室炎の主な症状は以下の通りです。

  • 腹痛
  • 発熱
  • 吐き気・嘔吐
  • 便秘
  • 下痢

特に腹痛と発熱はよく現れる症状です。貯留した便によって憩室が傷つけられた場合は、出血を起こすこともあります。

痛み以外で注意すべき大腸がんの症状

大腸がんの痛み以外で、注意すべき症状は以下の通りです。

症状 詳細
血便 がんからの出血により便に血が混じる
貧血 がんからの出血が続くことにより貧血になる
便が細くなる がんが腸の内側を狭めることで便が細くなる
便秘 がんが腸の内側を狭めることで便が通りづらくなる
下痢 がんが腸の機能を妨げることで下痢になる
しこりが触れる がんが大きくなることでお腹にしこりが触れるようになる

がんが大腸の左側にできると、腹痛として痛みが現れやすい傾向です。大腸の左側にがんができた場合に、腹痛以外で現れやすい症状は血便、細い便、便秘、下痢などです。これらの症状が現れている場合は、一度医師に相談してみましょう。

大腸がんによる腹痛は出現しては治まるを繰り返す

大腸がんはある程度進行すると腹痛が現れることがあります。大腸がんの腹痛は現れたり治ったりを繰り返すのが特徴です。

血便や細い便、残便感、便秘、下痢などの症状も見られる場合は要注意です。気になる症状が現れている方は、一度消化器内科を受診してみましょう。

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【監修者】
かわぐち内科・内視鏡クリニック
川口 佑輔

 

 

【参考文献】
国立がん研究センター東病院「大腸がんについて」
国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」
独立行政法人 国立病院機構 大阪医療センター「直腸がん」
東京大学保健・健康推進本部保健センター「便潜血」
慶應義塾大学病院「過敏性腸症候群(IBS)」

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