大腸カメラQ&A
大腸カメラにに関して良く聞く質問事項に回答致します。
1 下剤はおいしくないですか?
正直なところあまり美味しいとは言えません。この領域に関しては、ここ十数年あまり大きな進歩はないかもしれません。
ただし、当院ではモビプレップという下剤を用いており、これ自体はあまり美味しくないかもしれませんが、この下剤では途中で水やお茶をはさんで飲むことが可能です。途中で味が変えられるので、患者様からは現状概ね好評いただいております。
2 大腸カメラは本当に痛くないのですか?
絶対に痛くないとは言えません。痛くなりやすい人の典型例は、細身で婦人科Ope歴のある女性や、繰り返す憩室炎などで腸が癒着している人などが挙げられます。
当院では患者様の状況を見て、検査を行う前から難易度を推定し、使用するスコープの種類の検討や、鎮静剤の使用料、鎮静剤の種類の検討を行い、一人ひとりにあった大腸内視鏡検査をご提供させて頂きます。
3 検査後アルコールは飲んではいけませんか?
ポリープを取らなければ、同日より飲酒は可能です。ポリープを取った場合、基本的には1週間アルコール禁止と伝えさせて頂いております。
ただし、ポリープの大きさや切除方法、ポリープの場所によってもリスクは異なるため、患者様それぞれの状況に応じて多少の融通は効かせるようにしています。
4 お値段は?
苦痛の少ない大腸カメラ検査 のページにも記した通りです。
大腸内視鏡検査だけではそこまでの値段にはなりませんが、ポリープを切除すると内視鏡的大腸ポリープ切除術にコストが変更となり、やや高額となってしまいます。
こちらはいわゆる『保険診療』であり、どこの病院に行っても変わらない料金となります。検査前外来の際、同意書にも添付して説明をしております。
1割負担 |
3割負担 |
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大腸カメラ (観察のみ) |
2000円前後 |
6000円前後 |
大腸カメラ +病理組織検査 |
3500~5000円前後 |
10500~15000円前後 |
大腸ポリープ切除 |
7000~9000円前後 |
21000~27000円前後 |
5 血をさらさらにする薬を飲んでいるけれど大丈夫なの?
大腸内視鏡検査を行う事自体は問題ありません。
ただし、ポリープ切除はいわゆる『後出血危険度』処置に当たります。そのため、血をさらさらにする薬を飲んでいる方はポリープを切除することができません。切除するためには薬剤に応じた休薬期間を守る必要があります。
しかし一方で、血をさらさらにする薬は理由があって飲んでいるはずです。血をさらさらにする薬を安易に休薬し、その間に脳梗塞や心筋梗塞を起こすと、それこそ命に関わります。
ですので、血をさらさらにする薬を内服中の患者様は、ご自身がなぜ血をさらさらにする薬を飲んでいるのか?をしっかりと把握し、場合によっては処方している先生より一度休薬する事は可能か?を訪ねた上で休薬の可否を決定する事が望まれます。
6 鎮静剤を使用したいけれど、使用後の注意点はありますか?
患者様によっては眠気が残ります。検査同日は自転車や自動車の運転を控えて頂き、また重要な仕事に関しては判断能力が低下する可能性があることを十分に年頭に入れて下さい。
7 来院してから帰るまでにどのくらいかかるの?
大腸カメラ検査は、施行時間が人それぞれで異なります。
- 鎮静剤を使うか否か
- 大腸盲端(盲腸)への到達が簡単か難しいか
- 大腸ポリープがないかたくさんあるか
上記により個人差が大きいからです。
鎮静剤を使用せず盲腸への挿入が容易であり、ポリープがなければ、病院滞在時間は概ね30分ほどです。一方鎮静剤を使用し盲腸への挿入が困難であり、ポリープが複数あれば、最大90分ほどお時間を頂く可能性もございます。
8 気が付いたら検査が終わっているくらい、深く麻酔をかけて下さい。
『内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン』にて、中等度鎮静=意識下鎮静が推奨されています。結果的に『気が付いたら検査が終わる』が達成できることもありますが、『ある程度意識がある状態』となる事もありますのでご了承ください。
絶対に『気が付いたら検査が終わります』と謳っているところは、鎮静剤が深く、合併症のリスクを高めてしまっている可能性があります。当院ではガイドラインに沿った安全な鎮静内視鏡検査を行っています。
良くある質問事項に簡単にお答えして参りました。
参考になりましたら幸いです。