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便潜血検査

画像提供:オリンパス株式会社 おなかの健康ドットコム より

便潜血検査とは?

便潜血検査(読み方:べんせんけつ)はヒトヘモグロビンに対する特異抗体を用いて、便表面の血液を検出する検査です。
出血量が多ければ便の観察で消化管出血を疑うことが可能ですが、微量の出血ではそれができません。
便潜血検査は、肉眼的に観察ができない微量の消化管出血をスクリーニングできる検査であり、主に大腸がんのスクリーニング(ふるい分け)検査として広く用いられています。
区の総合検診や会社の企業検診、人間ドックの中で大腸がん検診として含まれており、一度は聞いた事がある方も多いと思います。

しかし、具体的にどのように検査を行い、陽性の時にどうすれば良いのかは良く分からない方も多いと思います。
今回は便潜血検査について掘り下げて説明していこうと思います。

便潜血検査の方法

採取方法

『便がうまく取れない』という意見をよく耳にします。
便採取方法の一例をご紹介いたします。
洋式トイレの場合、まず写真の丸の部分にトイレットペーパーを引きます。
そして通常とは逆方向を向いて(蓋方向を向いて)座り、トイレットペーパーの上に便を排泄します。

血液が付着するのは便表面の一部だけのことも多いので、採便器で便表面を広くこすります。
注意事項として、最近のトイレはボタンを押さなくても自然に流れてしまうものがありますので、設定に注意をして検査を行いましょう。

保存方法

冷蔵庫保存であれば約2週間は安定した検査検体を保つ事ができます。
室温(15-20度)の場合では、ヘモグロビンが変性していくので、排便から3日以内には提出しましょう。

便潜血陽性の原因となる疾患

便潜血検査は大腸がんのスクリーニング検査として行われますが、実際には大腸がん以外の病気が見つかる事も多々あります。

大腸がん

便潜血検査の一番の目的は大腸がんを早期発見する事です。
詳細は次の項目『便潜血陽性と大腸がん』に記します。

大腸がん 

正確なデータはありませんが、確かに便潜血陽性の原因として痔はよくみられます。
その一方で、痔がありますと答えた人のうち便潜血検査が陽性であった人は4.6%であった、という研究もあります。
そのため、原因が痔であると思っても、その他の原因の可能性を考慮して大腸カメラ検査を受ける必要があります。

 

大腸ポリープ

通常、大腸ポリープから出血を来す事はあまり多くはありませんが、大きなポリープがあれば出血を来す事があります。
当院の成績では、便潜血陽性の患者様の約40-50%に大腸ポリープが見つかっています。
見つかったポリープが出血の原因となっていたかは定かではありませんが、少なくとも大腸がんの原因となる大腸ポリープを発見し、予防的に切除ができるという意味でも、大腸カメラ検査を行う事に価値があると筆者は考えます。

大腸ポリープ 

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、慢性的な下痢、血便、腹痛を生じる疾患ですので、便潜血検査が陽性となる頻度が高い疾患と言えます。

潰瘍性大腸炎 

食道・胃・十二指腸からの出血

実は便潜血反応には『化学的反応』と『免疫学的反応』の2種類があり、現在はほとんどが後者で行われています。
免疫学的反応を用いた検査では食道・胃・十二指腸からの出血の場合消化酵素などの影響を受けてヘモグロビンが変性するため、検出率が低下します。
しかし、0%とは言えないため、胃カメラ検査の希望もある患者様は、外来の際にお伝えください。

小腸からの出血

食道・胃・十二指腸の検査は胃カメラ検査があり、大腸の検査は大腸カメラ検査がありますが、小腸の検索はクリニックレベルでは困難です。
ただし小腸から出血を来す疾患は非常に稀であり、検索を要さない事が多いのが現状です。

生理の影響

生理の場合、確かに便潜血が陽性となることがあります。
しかし、生理の影響であると断定することも不可能です。
便潜血検査が陽性になった場合には、必ず他の疾患の可能性を考慮して大腸カメラ検査を行う事を推奨致します。

便潜血陽性と大腸がん

便潜血検査を行うと、約7%の方が陽性となり、陽性の方のうち約2%に癌が見つかるという報告があります。

つまり1万人の方が便潜血検査を受けた場合、約700人が陽性となり、そのうち約14人が大腸がんと診断される計算となります。
大腸がんと診断された患者様の約30%が便潜血検査をきっかけに発見されており、便潜血検査で大腸がんと診断された患者様の約70%が早期の大腸がんです。
そして早期大腸がんの段階で発見できれば回復手術ではなく内視鏡治療で切除が可能であり、ほとんどの方が根治します。

40歳以上の方が毎年便潜血検査を受け陽性であった場合にきちんと大腸カメラ検査を受けるとで、大腸がんによって死亡する確率を約60~80%減らすことができるという調査報告もあります。

便潜血検査で陽性になったら(陰性の場合でも…)

上述してきた内容でお分かりの通り、便潜血検査が陽性になったら、大腸がんなど悪性腫瘍の鑑別のため必ず大腸カメラ検査が必要です。
便潜血検査陽性の際には、かかりつけの病院、クリニックがある場合にはそちらに相談を、かかりつけがない場合にはお近くの消化器内科に必ずお問い合わせください。

ただし、便潜血検査が陰性でも大腸がんがないとは言えません。
ある論文では進行大腸がんの約30%は便潜血反応が陰性となる、いわゆる偽陰性を来すと報告しています。
便潜血検査が陰性でも、貧血や腫瘍マーカー高値などの所見がある場合や、便秘・便が細い・お腹が痛い、体重減少などの症状がある場合などは、大腸カメラ検査を受ける事をお勧めいたします。

大腸カメラ検査と予約方法

別ページに当院の大腸カメラ検査ならびに予約方法について記載しております。

苦痛の少ない大腸カメラ検査 

大腸カメラ予約 

便潜血検査Q&A

便潜血陽性でした。何科に相談すれば良いですか?

消化器内科や内視鏡科を標榜する病院やクリニックにご相談下さい。

便潜血検査が毎年陽性になります。どうすれば良いですか?

基本的には毎年大腸カメラ検査を受ける事を推奨します。
しかし、明らかに痔がある場合などでは、主治医と相談の上、検査頻度を減らす事も検討に挙がります。

便潜血2回法の1回だけが陽性でした。精密検査は必要ですか?

上述したように、便潜血反応検査には偽陰性(大腸がんがあるのに検査が陰性である)確率が30%ほどあります。
2回法にする事によりその頻度を下げる事が目的となりますので、1回だけが陽性の場合にも大腸カメラ検査の実施が必要となります。

便潜血陽性でしたが無症状です。精密検査は必要ですか?

早期大腸がん患者様のほとんどが無症状です。
従いまして無症状でも便潜血陽性であれば必ず大腸カメラ検査の実施が必要となります。

便潜血陽性でしたがもともと痔があります。精密検査は必要ですか?

痔があっても便潜血陽性となる確率は4.6%に過ぎなかったとの報告があります。
もちろん痔からの出血の可能性もありますが、大腸がんの可能性も十分にありますので、大腸カメラ検査の実施をご検討下さい。

便潜血陽性と貧血を指摘されました。どうすれば良いですか?

もし大腸がんで貧血を来している場合には進行した大腸がんの可能性があります。
通常より早めの精密検査が必要ですので、すぐに消化器内科を受診してください。(当院ではリスクの高い患者様用に予約枠を週に数枠余らせております。早めの検査が必要な患者様もお気軽にご相談下さい)

便潜血陽性で大腸カメラ検査を受けましたが、何も異常ありませんでした。どう解釈すれば良いですか?

便潜血陽性でも何も見つからない方が約30~40%います。(擬陽性と呼びます)
便潜血検査は排便でいきんだ際に直腸や肛門周囲の粘膜がほんの少し切れて出血したものも検出します。
そのようなものは自然に治癒しますのでご安心下さい。

上記に便潜血検査特集として記載致しました。
便潜血検査陽性の場合には必ず消化器内科への受診が必要です。
当院では『苦痛の少ない大腸カメラ検査』を行っております。
便潜血陽性で大腸カメラ検査をご希望の方、また便潜血陽性であったが大腸カメラの施行に迷っている方、気軽に当院までお問い合わせください。

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