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大腸カメラ（下部消化管内視鏡検査）は、がんやポリープの早期発見に有効な検査ですが、検査前日の準備が非常に重要です。特に食事は、腸の状態に直結するため、検査の成功・失敗を左右する要素となります。

とはいえ、普段コンビニでの食材や外食が多い方は、食事内容に困る事も多いと思います。

本記事では、コンビニで手軽に入手できる食品の中から、大腸カメラ前日におすすめのものを8つ厳選し、NG食品との違いや食事の摂り方も含めて解説します。

大腸カメラ前日に「食事制限」が必要な理由とは？

大腸カメラとは？検査の目的と基本の流れ

大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察できる内視鏡検査で、がんやポリープ、炎症などの病変を早期に発見・治療するために行われます。

大腸カメラ検査前には、数日前からの食事制限（いわゆる低残渣食）と、当日の腸管洗浄剤内服が必須であり、これらの検査前処置により大腸内が綺麗に洗浄され、見逃しの少ない検査に繋がります。

大腸カメラ前日の注意事項

なぜ「前日の食事」がそんなに重要なのか？

腸内に残った便は、病変を覆ってしまうだけでなく、検査中の視界不良や時間延長、検査の中止につながる可能性があります。そのため、前日の食事は、便の量を減らし、腸管洗浄剤による洗腸をスムーズにする「低残渣食」が基本です。

ガイドラインでも推奨される「低残渣（ていざんさ）食」

日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは、前日は食物繊維や脂肪を控え、腸にカスを残しにくい「低残渣食」を推奨しています。たとえば、白米、うどん、卵、白身魚、豆腐などが該当します。

食事を間違えると検査中止の可能性も

「これくらい大丈夫」と自己判断で食べた結果、検査当日に腸管洗浄剤を内服しても便がなかなか綺麗にならず苦労する事があります。
そして、がんばっても便が綺麗にならない場合、最悪検査が中止となってしまう恐れすらあります。

前日の食事は、正確な診断を得るための第一歩なのです。

前日に避けるべき食品｜NG食材リスト

なぜ「避ける食品」があるのか？

食物繊維や脂質、種子などが多い食品は、腸に残りやすく、下剤でも排出されにくいため、検査前日は避ける必要があります。

NG食材の特徴

NG食材の特徴を以下の表にまとめます。

特徴	理由
食物繊維が多い	消化が悪く、腸に残りやすい
種や皮がある	小さくても腸壁に残り、視野を妨げる
脂っこい料理	消化に時間がかかり、便が硬くなりやすい
海藻・きのこ類	繊維質が多く、腸に貼りつきやすい

よくあるNG食品リスト

実際のNG食品として代表的なものを表にまとめました。

大腸カメラを行っていると、実際に種やネギなどなどが腸管内に残っており、検査の妨げとなる事がよくありますのでご注意ください。

カテゴリ	NG食品例	理由
主食	玄米、雑穀米、全粒粉パン	繊維が多く消化が悪い
野菜	ごぼう、れんこん、きのこ、もやし	食物繊維が豊富
果物	キウイ、いちご、バナナ（未熟）	種や繊維が多い
肉・魚	脂の多い肉、ベーコン、ソーセージ	脂質が多い
加工食品	カレー、揚げ物、炒め物	油分・香辛料が多い
その他	ごま、ナッツ、海苔、こんにゃく	種・繊維・色素が残る

意外なNG食品

ヨーグルト（果実入り）、グラノーラ、ハーブ入りサラダチキンなど、一見ヘルシーでも繊維・香辛料・脂質が多いため注意が必要です。

コンビニで買える！大腸カメラ前日におすすめの食品7選

「低残渣食」に適した食品とは？

ポイントは、①消化が良い、②脂肪・繊維が少ない、③腸に残りにくい、という3点です。
以下の食品は、全国のコンビニで入手しやすく、医療機関でも推奨されやすいアイテムです。

カテゴリ	商品例	特徴
おかゆ	白がゆ、卵がゆ	柔らかく消化が良い
パン	白ロールパン（具・油なし）	繊維が少なく負担が少ない
スープ	ポタージュ、具なしコーンスープ	水分も補給でき胃腸にやさしい
卵・豆腐類	卵豆腐、茶碗蒸し	低脂質・高タンパク
ゼリー類	プリン（カラメルなし）、ゼリー飲料	消化しやすくエネルギー源にも
飲料	経口補水液、透明スポーツドリンク	水分・電解質補給に最適
麺類	具なしうどん	白くて柔らかく、腸に残りにくい

白がゆや卵がゆは腸に優しく、**白ロールパン（具なし）**も繊維が少ないため安心です。ポタージュや具なしコーンスープは水分補給にもなり、胃腸にやさしい一品。卵豆腐や茶碗蒸しはたんぱく質源として優れ、カラメルなしプリンやゼリー飲料はエネルギー補給に適しています。また、経口補水液や透明なスポーツドリンクは水分・電解質補給に最適です。具なしうどんも低残渣で、消化によく安心して摂取できます。これらの食品をうまく取り入れ、スムーズな検査につなげましょう。

注意点

• 原材料表示で「ごま」「きのこ」「海藻」などが入っていないか確認

• ポテトサラダ・マヨネーズ系は脂質が多くNG

前日食の摂り方・タイミング・水分摂取の注意点

食事タイミングと目安

前日の食事の代表例を記載します。

時間帯	推奨食事例	ポイント
朝食	白がゆ、卵豆腐、プリンなど	消化が良く軽めに
昼食	うどん、白パン、ポタージュ	野菜・海藻は避ける
夕食	おかゆ少量＋スープなど	遅くとも20時までに済ませる

水分摂取の基本ルール

• 「透明な飲み物」を選ぶ：水、白湯、経口補水液、無糖スポーツドリンク

• 避けるもの：コーヒー、紅茶、緑茶、果汁飲料、乳飲料

• 前日は1.5〜2Lを目安に、こまめに水分を摂取

よくある質問Q&A｜「おにぎりは？」「サンドイッチは？」など

Q1. おにぎりはOK？

→ 白米＋梅（種なし）や卵などの具であればOK。わかめ・昆布・ごま・雑穀米はNG。

Q2. サンドイッチは？

→ 基本NG。特にハム・卵サラダ・野菜入りは脂質や繊維が多く不適。

Q3. ヨーグルトやチーズは？

→ プレーンヨーグルト（無糖・果実なし）は△（医師の指示による）。チーズはNG。

Q4. 飲み物で注意すべきものは？

飲料	OK/NG	理由
カフェオレ	×	乳脂肪とカフェインが腸に残る
緑茶・紅茶	×	色素がつき、カメラ視野を妨げる
経口補水液（透明）	◎	水分・電解質補給に優れている
スポーツドリンク	△	色付きはNG、透明なものならOK

引用文献

※1 日本消化器内視鏡学会 編. 『大腸内視鏡検査ガイドライン 2020』. 南江堂

 

 

当院では、麻酔薬を使った苦痛の少ない内視鏡検査を行っています。内視鏡専門医である院長が責任を持って担当し、大腸ポリープがあれば当日切除も可能です。

検査の説明を聞いてから大腸カメラを受けたい方は【外来Web予約】へお進みください。

先に検査日を決めたい方は【大腸カメラWeb予約】へお進みください。

 

【監修者】

かわぐち内科・内視鏡クリニック

川口　佑輔

• 2010年北里大学医学部卒業
• 日本内科学会認定医
• 日本消化器内視鏡学会専門医
• 日本肝臓病学会専門医