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糖尿病

  1. 糖尿病とは
  2. 糖尿病の合併症
  3. 糖尿病の治療
  4. 糖尿病で急を要する病態
  5. 外来の予約

糖尿病とは

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなる病気です。2017年の統計では糖尿病が強く疑われる患者さんの割合は人口の12.1%であり、また糖尿病予備軍の患者さんも12.1%であると発表されました。症状は初期ではほとんどの場合でみられませんので、健康診断などで指摘される場合がほとんどです。

糖尿病の診断

糖尿病診断には上記のようなステップが必要です。血糖は食事の影響を非常に強く受け、食前・食後で基準値が大きく異なります。そのため当院では多くの場合、空腹時血糖126mg/dl以上を血糖値の糖尿病型としています。またHbA1cは6.5%以上が糖尿病型です。

糖尿病には「インスリン依存型(I型)糖尿病」と「インスリン非依存型(II型)糖尿病」の2つのタイプがあります。
「インスリン依存型(I型)糖尿病」は、ウイルス感染や自己免疫により膵臓が破壊されておきる糖尿病です。全体の5%の方が、こちらのタイプの糖尿病です。Ⅰ型糖尿病の場合、抗GAD抗体が陽性となることが多く、ケトアシドーシスと呼ばれる重篤な病態を呈することがあり、インスリンの投与が必須となります。
「インスリン非依存型(II型)糖尿病」は、遺伝要因にくわえて、食べ過ぎ、運動不足、ストレスが加わって発症する糖尿病です。95%の糖尿病がこのタイプであり、一般的な糖尿病のタイプです。
糖尿病は深刻な合併症(神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化症など)を引き起こすことがあり、最悪の場合死に至る危険な病気です。診断されたら早めの治療・対策が必要です。

糖尿病の合併症

糖尿病の合併症としては大血管の合併症と小血管の合併症に分かれます。

大血管の合併症

①虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)

糖尿病をお持ちの方で、突然の胸痛が生じたら虚血性心疾患を念頭に検査が必要です。
また糖尿病の方は症状が生じにくいことも特徴であり、糖尿病で通院する際には定期的に心電図検査も行います。

②脳梗塞

突然の半身麻痺や呂律障害、めまいなどで発症します。発症後から治療開始までの時間により予後やその後の機能回復に大きな差が出るため、少しでも疑われる場合にはすぐに受診または救急車での搬送をご検討下さい。

③末梢動脈疾患(PAD)

足の血管に動脈硬化が起こり、血管が細くなったり、詰まったりして、足に十分な血液が流れなくなることで発症する病気です。これにより、歩行時に足がしびれる、痛い、冷たいなどの症状が現れます。
放置すると足の切断などが必要となる事もあり、非常に危険な病気です。

小血管合併症

①糖尿病性網膜症(目の病気)

視力低下が低下し失明に至る可能性もあります。糖尿病の患者様は1年に1回の眼科受診が推奨されます。

②糖尿病性腎症

透析に至る慢性腎不全の原因第一位が糖尿病性腎症です。糖尿病の患者様は定期的に採血での腎機能検査、尿検査での蛋白尿、微量アルブミン尿の検査が必要です。

③糖尿病性末梢神経障害

下肢の感覚低下やしびれなどで発症します。

その他糖尿病の進行と非アルコール性脂肪肝炎(いわゆる脂肪肝)に関連があり、また糖尿病患者様には膵癌が多いことが知られており、定期的な腹部超音波検査の施行が推奨されています。

糖尿病の治療について

1 食事療法

食事指導を中心とした生活習慣の改善は、糖尿病治療には欠かせません。

①適正なエネルギー

適正エネルギー=標準体重×身体活動量
※標準体重=身長(m)×身長(m)×22

身体活動量の目安
軽労働(デスクワーク、主婦など)   25~30kcal/㎏ 標準体重
普通の労作(立ち仕事など)  30~35kcal/kg 標準体重
重い労作(力仕事など)  35~ kcal/kg 標準体重
②バランスの取れた食品構成

指示エネルギー量のうち、炭水化物は55~60%までに抑え、たんぱく質は20%以下、脂質は25%以下が推奨されています。

2 経口血糖下降薬

近年は様々な新薬が開発され、選択肢が非常に増えています。
経口血糖下降薬の種類を表に記します。
病態に応じてこれらの薬剤を開始し、組み合わせていく形となります。

3 インスリン治療

当初より著しい高血糖を来している場合や、経口血糖下降薬による治療でも血糖値・Hb
A1cの改善が得られない場合に出番となります。
インスリンを使用する場合、低血糖のリスクを十分に考慮し、少ない単位数から徐々に増やしていく必要があります。
導入に際しては専門の医療機関にご紹介することもありますので、ご了承下さい。

糖尿病で早期に高次医療機関に受診が必要な状態

①低血糖

低血糖になると、意識障害を引き起こします。インスリンや経口血糖下降薬による治療を行っており、体調不良などで食事量が減ると生じます。
適切なブドウ糖の投与で大抵は改善しますが、その後も遷延することもあり、入院なども含めた高次医療機関での加療が必要となります。

②糖尿病性ケトアシドーシス

1型糖尿病の発症時、あるいは無治療、治療中断などで血糖コントロール不良に陥り、インスリンの必要性が極端に増加した際などに生じます。
喉の乾き、多尿、全身の倦怠感などの症状に引き続いて急激に発症し、ひどい場合は意識障害を生じます。

③高血糖高浸透圧症候群

2型糖尿病の患者さんに起こることの多い急性合併症です。600㎎/dlを超えるような異常な高血糖を生じ、糖尿病性ケトアシドーシスと同様に意識障害を引き起こします。

※シックデイ

糖尿病の患者様が、何等かの感染症にかかり、熱が出る・下痢をする・吐く、また食欲不振によって、食事ができないときのことを『シックデイ』(体調の悪い日)と言います。
このような状態の時には普段の血糖コントロールが良好な患者様でも著しい高血糖を来し糖尿病性ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群などを生じやすくなります。
インスリンを打っている患者様につきましては、シックデイの時のルールをしっかり説明することで、重篤な高血糖に至らぬよう注意することが必要です。

外来の予約

上記に糖尿病の診断、治療の概要をまとめさせていただきました。
健康診断などで糖尿病の指摘をされた患者様は是非受診をご検討下さい。

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