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ABC健診での異常

ABC健診とは

ABC健診ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染の有無と、胃粘膜の萎縮の状態を反映するペプシノーゲンの値を測定することで、胃癌のリスクを算出する方法です。

筆者個人の見解としては、胃癌の健診として上部消化管内視鏡検査(胃カメラ検査)以上の検索方法はないと考えています。それは、上部消化管内視鏡検査が早期のものを含め『胃癌』を診断できる唯一の方法であり、また胃癌以外の病気(胃潰瘍や胃粘膜下腫瘍、食道や十二指腸その他の部分の病気)も診断できる検査法だからです。

しかし実際には、胃カメラ検査を受ける機会がない、胃カメラ検査を行うのが不安で行いたくない、という患者さんはたくさんいるのではないでしょうか。

ABC健診を人間ドックの一項目として選択できるケースが増えてきており、ABC健診異常の解釈について質問を受ける機会が増えました。

ABC健診結果の解釈

実際のABC健診の解釈を下にお示しします。

A群:ピロリ菌のいない、萎縮性胃炎のない、正常な粘膜が疑われます。ただし、HPが陰性でも未分化癌(スキルス癌)が発生するリスクはあります。このような患者さんは、胃癌リスクが低いため内視鏡検査をする機会に乏しく、症状が出て見つかった時には進行している場合もあります。いずれにせよ定期的な胃カメラ検査は受けて損はないと考えます。

B群:ピロリ菌はいても、萎縮性胃炎は強くない事が予想される状態です。リスクはそれほど高い訳ではありませんが、内視鏡で萎縮性胃炎があれば除菌の適応となります。

C群:ピロリ菌がいて、強い萎縮性胃炎の存在が疑われます。絶対に内視鏡検査を受け、今胃癌なない事を証明し、お早めに除菌治療を受けましょう。

D群:萎縮性胃炎が進みすぎると、ピロリ菌事態が胃に生息できなくなる事で、ピロリ菌が陰性となることがあります。D群の場合には血液検査以外の方法でピロリ菌のチェックが必要です。また内視鏡検査も必須となります。

※1:HP除菌後の患者さん

除菌後に血液中のHP抗体が陰性になるには長期間を要し、またそもそも除菌後の患者さんは定期的な内視鏡検査が推奨されますので、除菌後の患者さんにABC健診は適しません。

※2:PPIやP-CAB内服中の患者さん

逆流性食道炎や胃潰瘍などで胃酸分泌抑制薬(PPI:ネキシウム、タケプロン、パリエットなど、P-CAB:タケキャブ)などを内服しているとペプシノーゲンが低値となりますので、PPIやP-CAB内服中の患者さんにABC健診は適しません。

ABC健診後の対応

上記のB~D群の患者さんは、一度胃カメラ検査を行うことが推奨されます。

当院では経鼻内視鏡や鎮静剤を用いた苦痛の少ない胃カメラ検査を実施できますので、ABC健診で異常を指摘された患者様はお早めの受診をご検討下さい。

 

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