逆流性食道炎(GERD)
逆流性食道炎(GERD)とは?
逆流性食道炎(GERD)とは、胃から胃酸が逆流することにより食道部分に炎症が起こる疾患です。ピロリ菌を有する患者さんは若い世代では減少しています。ピロリ菌感染のないきれいな胃の患者さんは、胃が元気ですから胃酸もたくさん分泌されますので、特に若い世代で、逆流性食道炎を有する患者さんが増加しています。
症状
・胸やけ、胸がむかむかする
・胃もたれ
・げっぷ
・食事のつかえ感
上記の症状がある患者さんは逆流性食道炎の可能性がございます。
原因及びリスク因子
大きな原因の一つとして、食道裂孔ヘルニアがあります。本来腹腔内にあるべき胃が胸腔内に脱出している状態を食道裂孔ヘルニアと呼びます。食道裂孔ヘルニアがあると、胃から食道への逆流を防ぐ仕組みがうまく働かなくなり、胃酸が食道に上がってきやすくなり、それにより胸やけや胃痛などの症状が生じます。
リスク因子として以下のものが挙げられます。
・肥満
・食後すぐに横になる
・アルコール多飲
・喫煙
・加齢
・妊娠 etc
診断
胃カメラ検査を受けることにより逆流性食道炎の診断をつける事が可能です。
※なお、逆流性食道炎の症状があっても、胃カメラでは所見に乏しい場合もございます。その場合に逆流性食道炎(GERD)に対し非びらん性胃食道逆流症(NERD)と呼ばれます。NERDの場合でもGERDに準じた治療で症状の改善を得られる場合がございます。
治療
薬物治療と生活習慣指導が2本柱です。
薬物治療としては胃酸分泌抑制薬があります。
胃酸分泌抑制薬と一言でいっても、実は様々な種類の胃酸分泌抑制薬があります。それぞれ薬の種類により多少の作用機序の違いがあり、患者さんによりどの薬が合うかは異なります。また同じ薬を飲むにしても、用法容量の変更により効果に差が出る場合もございます。
生活習慣指導
胃酸の過剰な分泌を抑え、肥満にならないための食事として低脂肪食が推奨されています。 胃酸の分泌を促す甘味類、刺激性の強い食べ物、アルコールは極力控え、禁煙を心がける事も重要です。
その他、食事の後すぐに横にならない、前かがみにならないなどの生活習慣の改善により、症状が改善することもあります。
妊娠中は胃が圧迫されやすいので、お腹を圧迫するような姿勢をとらないことなどに注意することで、症状の緩和が図れます。
患者さんそれぞれに合った治療をご提供いたします。逆流性食道炎の症状が疑われる患者さんは是非一度当院を受診してみて下さい。