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食道カンジダとは
食道カンジダは、カンジダという真菌(カビの一種)が食道の粘膜に感染・増殖することで起こる感染症です。健康な人でもカンジダは口腔内や腸内に常在していますが、免疫力が低下した状態では異常に増殖し、炎症や潰瘍を引き起こすことがあります。
食道カンジダの症状
初期には無症状のこともありますが、以下のような症状がみられることがあります。
- 胸やけ、胸のつかえ感
- 嚥下時の痛みや違和感(嚥下困難)
- 胃もたれや悪心
- 食欲不振
- 発熱(重症例)
風邪や胃の不調と見分けがつきにくいため、症状が続く場合は検査が必要です。
食道カンジダの原因
食道カンジダは、カンジダ菌という常在する真菌が過剰に増殖することで発症します。通常は免疫機能によって抑えられていますが、以下のような要因によって免疫力が低下すると、感染が成立しやすくなります。
特に多い原因としては、抗菌薬やステロイド薬の長期使用が挙げられます。これらの薬剤は体内の常在菌のバランスを崩し、カンジダ菌の異常増殖を引き起こすことがあります。また、糖尿病やがん、HIV感染などの基礎疾患も、免疫機能の低下を通じて発症リスクを高めます。
高齢や栄養状態の悪化、疲労やストレスも免疫力を弱める要因となり、発症につながることがあります。再発を防ぐためには、原因となる薬剤や基礎疾患のコントロールも重要です。
食道カンジダの治療法
診断は内視鏡検査(胃カメラ)で白い苔状の病変を確認し、生検で確定します。
- 抗真菌薬(フルコナゾールなど)の内服が基本治療です
- 症状の重い場合は点滴治療を行うこともあります
- 原因となる基礎疾患の管理や薬剤の調整も重要です
通常は数日〜2週間程度の治療で改善しますが、再発することもあるため注意が必要です。
当院の検査・対応について
当院では、症状に応じて胃カメラ検査を実施し、病変の有無や重症度を確認いたします。カンジダが疑われる場合には迅速に診断し、抗真菌薬の投与や生活習慣の見直しを含めた包括的な治療を行っています。嚥下時の違和感や長引く胸のつかえがある方は、お早めにご相談ください。