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膵嚢胞

膵嚢胞とは?

膵嚢胞は、液体成分を内部に含む 袋(嚢胞) が膵臓に形成される病気のことを指します。症状はないことがほとんどであり、健康診断での腹部超音波検査や、他疾患にて撮影されたCT検査で偶然発見される事が近年増えており、決して稀な疾患ではありません。膵嚢胞の種類は多岐に渡り、良性~悪性、経過観察~手術と対応はそれぞれの疾患により異なります。

診断

膵嚢胞には多くの種類があり、膵嚢胞が発見された場合、どのタイプの嚢胞であるかを判断する事が重要となります。

検査の方法としては下記があります。

① 腹部超音波検査

腹部超音波検査は、最も合併症のない検査であり、リスクの少ない患者さんの定期経過観察に非常に適しています。一方で、膵臓は体表からの腹部超音波では全体が把握しにくい蔵器でもあり、皮下脂肪や内臓脂肪が多い患者さんの観察は難しいという欠点があります。

②CT

造影CTは嚢胞内にできた初期の膵癌を検出するのに非常に優れた検査です。しかし喘息や造影剤アレルギー歴のある患者さんには禁忌であり、また腎機能障害の患者さんにも使用できません。アレルギー歴のない患者さんでも稀にアナフィラキシーショックと呼ばれる命に関わるアレルギー反応を示す事があり、リスクのある検査です。造影剤を使わないCTでは初期の膵癌を見つける事は困難であり、十分に患者さんが同意されたうえで行う必要があります。

③ MRI

MRIの中でMRCPという撮影方法があります。MRCPは胆管、膵管にfocusしたMRI検査であり、膵嚢胞の形態、大きさ、膵管の太さなどを見る点では最も優れた検査です。閉所恐怖症やペースメーカーなどの金属が体に入っている患者さんは施行できません。

④ 超音波内視鏡検査 EUS

超音波内視鏡検査(EUS)は、膵嚢胞の検査の中で、微小な膵癌を発見できる可能性が最も高い検査と言われています。しかし、熟練した内視鏡の技術が必要であり、大病院以外ではなかなか普及していないというのが現状です。

 

上記検査の中で、当クリニックで施行できるのは腹部超音波検査となります。初回の検査として超音波検査を行い、膵嚢胞がみられた患者さんは、リスクに応じてCT、MRCPを依頼させていただきます。(主に永寿病院にお願いしています)それらの検査ですぐに手術が検討されるような患者さんの場合、EUS・手術ができる病院を紹介させていただきます。

膵嚢胞性疾患の種類

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)

膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は、膵管の上皮から発生する腫瘍で、肉眼的に「イクラ様」といわれる乳頭状の発育形態を示し、豊富な粘液を分泌することが特徴です。あまり知られていない病気ですが、膵嚢胞性疾患の中でも非常に頻度が高く、有病率は2~3%との報告もあります。腫瘍=癌ではありませんので、全ての患者さんに手術が必要な訳ではありませんが、時間が経過すると徐々に大きくなり、最終的にはいわゆる膵癌となっていく可能性があります。膵癌になる確率は1%/年ほどと言われていますが、一般的な膵癌と比べて進行は遅いとされており、3か月~半年ごとの適切な経過観察を行えば進行癌になる前に発見でき、適切な治療を行えば根治が望める病気です。

②仮性嚢胞

膵仮性嚢胞は急性膵炎および慢性膵炎の経過にみられる最も頻度の高い合併症の一つです。大きいものや感染を伴った場合には治療の適応となりますが、無症状で小さいものは、定期的な画像診断による経過観察が可能です。

③ 漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)

漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)は中年女性に多く見られる病気であり、膵臓に漿液(サラサラな液体)を貯留する袋を有するのが特徴です。基本的には良性疾患であり癌化する可能性はありませんが、画像診断にて他の悪性疾患との鑑別が艱難な場合もあり、増大傾向を示す場合には手術を行うこともあります。

④ 粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)

粘液性嚢胞性腫瘍(MCN)は中年女性に多く見られる病気であり、膵臓に多量の粘液を貯留する袋を有するのが特徴です。MCNの場合は癌を発生する可能性が高いと言われており、基本的には手術が必要となります。

 

治療

膵嚢胞が悪性であるか否かを判断した後、悪性であれば治療は外科的手術が第一選択となります。

よく膵嚢胞をお持ちの患者さんに、『膵癌にならないためにはどのようにすれば良いですか?何をすれば予防できますか?』と聞かれることがあります。その際に私がお答えするのは、『予防法は残念ながらありません。半年に一度の検査を忘れずに受ける事が、進行癌にならないための一番の予防になります』という事です。

悪性のリスクの高い患者さんは手術が可能な病院への紹介、リスクが低い患者さんは当院での腹部超音波検査と、提携病院でのCT・MRI検査を組み合わせながら経過観察をさせていただきます。

患者さんの嚢胞の種類やリスクに応じて、適切に対応致しますので、膵嚢胞が見つかりましたら、気軽にご相談下さい。

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