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睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
一晩7時間の睡眠中に30回以上の無呼吸があるものと定義されています。この睡眠時無呼吸症候群にり患していると良質な睡眠がとれず、日中の活動性や労働の質が低下することはもちろん、高血圧や虚血性心疾患、糖尿病などの生活習慣病を高率に合併し、生命予後に影響を与えることが明らかになりました。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんは我が国でおおよそ200万人と言われており、正確な診断、治療を行う事で、患者さんの『生活の質』を高める事ができます。
睡眠時無呼吸症候群の診断
睡眠時無呼吸症候群には閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)があります。一般的に知られている睡眠時無呼吸症候群はOSASを示す事が多く、CSASは脳疾患などの中枢神経障害が隠れている可能性がありますので、原因疾患の治療が必要となります。
OSASは肥満に伴う上気道軟部組織への脂肪沈着が主な原因です。診断するためには無呼吸低呼吸指数(AHI)を調べる必要があります。AHIの測定方法として終夜のポリソムノグラフィー検査がありますが、終夜検査を支える体制や設備などの制約により、全例にポリソムノグラフィー検査を施行することは困難です。また症状よりOSASを疑った場合は下記に示すようなスクリーニングもしくは簡易検査を行い、それだけでは診断がつかない場合にはポリソムノグラフィー検査を実施することが一般的です。
睡眠時無呼吸症候群の治療
OSASの治療は、生活習慣に関する指導と、内科的治療、外科的治療、歯科装具に大別できます。なかでも中等~重症OSASの治療には、マスクを介して気道に陽圧をかけるCPAP療法が第一選択といわれています。
生活習慣の改善項目
- 減量
- 精神安定剤の服用制限
- 睡眠中の体位の工夫
- 飲酒の制限
- 禁煙
内科的治療
★CPAP療法
マスクを介し気道内に陽圧をかけ、気道の閉塞を防ぐことにより、無呼吸を取り除く治療です。CPAP本体から鼻マスクを介してあらかじめ設定した陽圧を気道内に送り、気道を常に陽圧に保つことにより、気道の閉塞を防ぐ、いわば¨空気の添え木¨のような役割を果たします。重症OSASにおいてCPAP治療を行うことにより予後が良い、という事が多くの研究によって証明されています。
外科的治療
UPPP(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)
口蓋垂、扁桃を切除し、軟口蓋、口蓋弓を含む中咽頭部の過剰粘膜を切除・縫合し、上気道を拡大させる手術です。
扁桃・アデノイド除去手術
小児のOSASの原因は、扁桃肥大、アデノイドが多いため、小児ではこの摘出術が積極的に行われています。
歯科的治療
歯科装具
いびき症や、軽症のOSAS患者、またはCPAPがどうしても受け入れられない患者さんに用いられます。患者さんごとにマウスピースを作成し、上下の歯の間に固定して、下顎を前方に引き出すことによって、閉塞を軽減させます。
当院ではCPAP対応業者と連携をとり、睡眠時無呼吸症候群の診断、CPAPによる治療を行っております。診断から治療までの流れを下記に記載させていただきます。
睡眠時無呼吸症候群の診断と治療
- 問診、診察
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外来にて問診、診察を行い、睡眠時無呼吸症候群の症状に当てはまるかチェックします。
症状が当てはまりそうであれば
- 簡易検査
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当院にて簡易検査をオーダーします。後日、簡易検査業者から患者さんに直接連絡し、日程の調整、簡易検査実施の説明が行われます。
簡易検査が終了したら
- 結果を説明
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当院外来を受診頂き、結果を説明させていただきます。
- AHI>40の場合
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睡眠時無呼吸症候群の診断となります。患者さんと相談し、CPAP導入希望がありましたら、導入のための書類を作成させていただきます。後日CPAP業者より患者さんに連絡が入り、実際に導入する日程の調整を行います。
1か月後当院外来を受診頂き、状況の確認を行います。設定が合わない、マスクが合わない、など細かな患者さんの症状を把握し、一人ひとりにあった医療を提供させていただきます。
- 20≦AHI≦40の場合
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夜間ポリソムノグラフィー検査に移行します。ポリソムノグラフィー検査は入院での実施が必要であり、提携病院へご紹介させていただきます。
ポリソムノグラフィーが終わったら
当院外来にて結果をお伝えします。睡眠時無呼吸症候群の診断となった場合、患者さんと相談し、CPAP導入希望がありましたら、導入のための書類を作成させていただきます。後日CPAP業者より患者さんに連絡が入り、実際に導入する日程の調整を行います。
1か月後、当院外来を受診頂き、状況の確認を行います。設定が合わない、マスクが合わない、など細かな患者さんの症状を把握し、一人ひとりにあった医療を提供させていただきます。