大腸カメラQ&A
診療を行っていると、患者様から繰り返し受ける質問があります。
よく受ける質問に関しまして回答しますので、是非参考にして頂けますと幸いです。
検査前
Q:検査前の注意点はありますか?
A:2日前から消化に良いお食事にして頂き、前日の夕食は早めの時間に終わらせて頂きます。
また必要に応じて普段飲んでいるお薬を中止する必要があります。
詳しくは検査説明外来の際にお伝えさせて頂きます。
Q:腸管洗浄剤を飲む際の注意点を教えてください
A:腸管洗浄剤による副作用や合併症も報告されています。
特に注意が必要な事として『腸閉塞』があります。原因としては、大きな大腸がんが隠れていた場合に腸管洗浄剤を飲むことによって大腸に負荷がかかり、大腸が詰まってしまう などが挙げられます。
腸管洗浄剤1L飲んだ時点で便が出ない、腸管洗浄剤内服後腹痛や嘔吐があった場合には、お早目にご連絡頂いております。
Q:普段から便秘のため朝刊洗浄剤を飲むのが心配です。
A:便秘の患者様では、便がきれいになるまでに時間がかかる、またはいくら飲んでも便がきれいにならない と言うことがあります。
普段便秘の患者様には、検査までの間に下剤を投与し、症状を改善した状態で検査に臨んでいただきますので、排便状況に不安がある方は事前の外来でご相談下さい。
麻酔薬や大腸カメラの痛みについて
Q:痛くない大腸カメラを受けたいですが、麻酔薬を使用するのも不安です。麻酔薬の副作用はありませんか?
A:麻酔薬は使用方法を間違えると非常に危険な薬剤です。
特に麻酔薬の多量投与により深く眠りすぎると、
①呼吸抑制:眠りすぎて呼吸回数が低下したり、呼吸が浅くなり酸素飽和度(血液の酸素の値)が低下したりします
②循環抑制:血圧が低下したり、脈が遅くなったり、不整脈が起こったりします。
などが起こります。重篤な場合には命に関わります。
正直に言って、『完全に眠った状態で検査を行います』という施設は、内視鏡の腕に自信がないのではないか?と思ってしまいます。
当院では適切なモニター(血圧や酸素飽和度)測定の元、ガイドラインに準じた適正な薬剤量を用いて麻酔薬を使用しています。
Q:前に大腸カメラをやった際に腸が長いと言われましたが本当ですか?
A:大腸が本当に長い人もいらっしゃいます。しかし大抵の場合は大腸カメラの挿入方法次第で、長い腸でもなるべく伸びない様に折りたたみながら挿入し短縮する事が可能です。
実際に、前回腸が長いと言われた方で、当院で行ったら通常通りの長さで盲腸(大腸の盲端)まで挿入できた患者さんは沢山いらっしゃいます。
検査が可能かどうか?
Q:授乳中ですが、大腸カメラはできますか?
A:大腸カメラ検査は可能です。麻酔薬(うとうとする薬)を使用する場合には、検査の後24時間は授乳を中止して頂きます。麻酔薬を使わない場合には、授乳の制限はございません。
Q:妊娠中ですが、大腸カメラはできますか?
A:妊娠中の方は安全面が担保できないため大腸カメラ検査は施行できません。
Q:生理中の大腸カメラは可能ですか?
A:生理中でも大腸カメラは可能です。
Q:歯医者さんの麻酔で調子が悪くなりました。内視鏡検査は可能ですか?
A:胃カメラの場合に問題となる場合がございます。
大腸カメラでは問題ございません。
Q:緑内障(眼圧が高い)と言われ通院しています。検査に支障はありませんか?
A:大腸をよく観察するために、鎮痙剤(大腸の動きを抑える薬)を使用します。
ブスコパンという薬がよく使われますが、緑内障がある方では使用できません。
また緑内障の種類によっては麻酔薬(当院ではミダゾラム)が使用禁止となっています。
ただしこれらの薬剤は緑内障の種類によっても使用可能な場合もありますので、緑内障を既に指摘されている患者さんは、かかりつけの眼科にて使用できない薬があるか聞いていただけると間違えありません。
ただし分からない場合でも対処法はありますのでご安心下さい。
Q:不整脈がありますが大腸カメラはできますか?
A:大腸カメラは可能です。
ただし不整脈の患者さんも、鎮痙剤(大腸の動きを抑える薬)で使用できないものがございます。他の鎮痙剤もありますので、外来の際にご相談下さい。
お薬関連
Q:中止するべき薬を間違えて飲んでしまいました。どうすれば良いですか?
A:薬剤の種類により異なります。
例えば血液をさらさらにする薬の場合、間違えて飲んでしまっても大腸カメラ自体は可能ですが、大腸ポリープの切除はできなくなります。
糖尿病の薬の場合には、血糖が下がってしまう可能性があるので、来院の際に血糖の測定などを行う可能性がございます。
いずれの場合でも、一度当院までご連絡頂けますと幸いです。
Q:血をさらさらにするお薬を飲んでいますが、検査はできますか?
A:大腸カメラは可能です。血液をさらさらにする薬を内服している場合には、お薬を中止して頂く可能性がございます。外来の際には必ずお薬手帳などをご持参ください。
Q:糖尿病の薬を飲んでいます。注意事項はありますか?
A:大腸カメラ当日はお食事の制限があります。糖尿病に対し血糖を下げる薬が入っていると、食事を抜いた際に低血糖を引き起こすリスクがあります。
糖尿病の薬を飲んでいる方は、事前にご相談下さい。
今後も患者様から受けた質問に回答して参りますので、是非参考にして頂けますと幸いです。