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2023年 内視鏡検査を振り返って

[2024.01.11]

2024年 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて今回は、2023年に行った内視鏡検査を少し分析し、どの位の方にがんが見つかったのか?などをご報告しようと思います。

 

胃カメラ

2023年、胃カメラの件数は731件でした。

施行理由は、胃がん検診191件、胃もたれ・胃痛などの症状精査246件、ピロリ菌除菌後のフォローアップ87件、何らかの異常所見のフォロー58件、健診異常(バリウムなどでの異常)53件 … でした。

施行方法は鎮静剤使用333件、経鼻内視鏡210件、経口内視鏡187件でした。

悪性腫瘍では、早期胃がん1例、進行胃がん1例、早期食道がん1例、進行食道がん1例、進行十二指腸がん1例 でした。

悪性所見は0.7%ほどで検出された計算となります。

胃がんはやはりピロリ菌感染者の減少やピロリ菌除菌の効果もあり、減少していることが、結果として表れていました。

早期胃がん、早期食道がんの患者様はいずれも胃がん検診で診断されました。胃がん検診の患者様は基本的に症状がない患者様です。
つまり、当然ではありますが、早期の消化器がんはほとんどの場合症状が出ない、という事になります。
症状が無くても定期的に胃カメラ検査を受けた方が良いのは、早期のがんを発見するためということです。

 

大腸カメラ

大腸カメラ検査は499件でした。

大腸カメラで苦痛を生じる原因としては、大腸の盲端(盲腸)までカメラを進める際、腸の形や硬さなどの影響で痛みを生じるためです。

大腸カメラの挿入には技術が必要であり、当然ですが盲腸まで到達するのが早ければ早いほど苦痛も生じにくくなります。(厳密には専門家からすると御幣のある言い方ですが、そこはご勘弁下さい)

2023年、当院での盲腸までの到達時間の平均は4.5分ほどでした。もちろん大腸の形が非常に複雑な方の場合10分以上かかり、多少の痛みを伴う場合もあります。

しかし平均すれば4.5分ほどで盲腸まで到達し、観察時間を含めて10分ちょっとで終わっている計算になります。

大抵の人は痛みを感じる事なく、『なんだ、大腸カメラってこんなもので終わるのか!』と驚いていらっしゃいました。

大腸カメラは痛いものだ、と検査を遠ざけている方は、是非上述した事実を知って頂ければと思います。

では、検査結果の解析に移ります。

大腸カメラ施行理由は大腸がん検診(便潜血検査)陽性104件、血便78件、大腸ポリープの定期的フォロー83件、下痢40件、便秘23件、腹痛47件、年齢28件、潰瘍性大腸炎のフォローアップ7件、その他83件… でした。

鎮静剤は、使用した方が465件、使用しなかった方が34件でした。やはり時代の流れ的にも鎮静剤を使用する方が圧倒的に多い結果となりました。

鎮静剤使用には合併症のリスクもありますが、2023年は目立った副作用はみられませんでした。

大腸ポリープ(腺腫)は223件にみられ、ADR(腺腫の発見率)は 約45%でした。

ADRがもう少し高いクリニックもあると思いますが、恐らく原因として当院では比較的若年の方の大腸カメラ検査が多かった事が理由として考えられます。

悪性腫瘍やポリープに関して、進行大腸がん7件、当院では取る事ができない巨大なポリープが8件みられました。

当院では取る事ができない巨大なポリープにつきましては、他院からの報告より悪性所見が含まれていたもの(切除してみたらがんであった)が3件でしたので、計10件の大腸がんが発見された事になります。

これは約2%に大腸がんが見つかった計算になります。もちろん、経過的に明らかに大腸がんの可能性があると感じた人もいますので、実際の有病率がここまで高い訳ではありませんが、それでも100人に2人が大腸がんであったことになります。
やはり胃がんと比べて大腸がんが非常に増えている事が鮮明に分かる結果となりました。

大腸がんと診断された年齢では1名40代、2名50代の方がいらっしゃいました。

上記の結果も踏まえ、やはり地域の方に一番役立つ事、それは症状がなくても40~50歳を過ぎたら一度は大腸カメラを行うべき という事実を1人でも多くの方に伝え、1人でも多くの方に大腸カメラを受けて頂く という事です。

今回の解析では、この事実を自分でも改めて認識することができ、非常に有意義であったと感じています。

 

以上にて2023年 当院の内視鏡検査の結果報告を終了させて頂きます。

2024年もよろしくお願いいたします。

 

 

かわぐち内科・内視鏡クリニック

川口 佑輔

2010年北里大学医学部卒業

日本内科学会認定医 日本内科学会 (naika.or.jp)

日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器内視鏡学会 (jges.net)

日本肝臓病学会専門医 一般社団法人 日本肝臓学会 (jsh.or.jp)

医学博士 Failure Factors to Reach the Blind End Using a Short-Type Single Balloon Enteroscope for ERCP with Roux-en-Y Reconstruction: A Multicenter Retrospective Study

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